No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年5月17日 炭焼喰人

他流試合のような緊張感をもって焼くときがある。
それは焼肉を知り尽くした者を連れて自分のホームグランドで焼くときである。
いつも一緒に焼いているメンバーが炭焼喰人に焼きに来たのだ。
極上Meatをいつも一緒に焼いているだけに、彼らを満足させるのは難しいと思っていたが、炭焼喰人ならと思い訪問した。
ちなみにそのうちの一人は前日もよろにくで焼いてきたと言う、受けて立とうじゃないか。
レバ刺しとユッケで様子をうかがいながら、焼きへ移行した。
まずは厚切り上タン。
今のところ、ここでしか食べる事ができない程の極厚のタンである。
焦がさないように注意しながら、しっかりと火をとおしたタンに歯を立てると、あの分厚いタンがサクッと噛み切れるのだ。
しかも断面は綺麗なピンク色。
いったいこのタンは薄切りタン何枚分なのか分からないが、あまりの旨さに女性でも一人一塊(間違いなく一切れではない)ペロリである。

ハネシタ(今まではクラシタとして提供していた)・サイコロ上ロース・かいのみ・厚切り上ハラミ等、いつものメニューは相変わらずの旨さ。

ハネシタやサイコロ上ロースなどのロース系の甘み・柔らかさには焼き仲間も満足の様子。


また、ロース系でも今回初めてだった肩ロースを使った焼きしゃぶもなかなかの一品。
甘い肩ロースで葱を包んで食べるのだが、これがまた旨い。
ジューシーな肩ロースの脂を葱のおかげでさっぱりと食べる事ができる。

これだけ旨いロースが揃っている中で、この日一番旨かったロースはリブロース
山本店長が見せてくれたカット前のリブロースの塊を前に、どういったカットにするか相談。
リブ芯部分を切り出してちょっと厚切り、リブ巻きを薄切りでお願いした。
このリブ巻きが甘くて旨いのだ。
ジューシーというより柔らかくて、上品な甘みが強い。
しかし、リブ芯はこれを上回る旨さ。
熟成加減もばっちりだし、めちゃめちゃ旨い。
こんなリブ芯を食べてしまったら、炭焼喰人で焼く度に毎回食べたくなってしまう。
常にあるとは限らないMeatだろうし、これは旨すぎるが故に非常に辛い。。。

山本店長からのサプライズはこれだけではなかった。
次はいったい何グラムあるのか不明なヒレ
これだけの太さであれば、シャトーブリアンと呼ばれるヒレの中心部分付近であろうか。
しかも美しいサシが縦横無尽に入っている。
このヒレは焼き始めると脂が滴って炭から火が出てしまう。
カルビなどじゃなくヒレなのにだ。
せっかくのヒレを焦がさないように慎重に焼いた。
トングを握りながら、目は網上のヒレに釘付けである。
個人的に思うのは、ヒレは厚切りのタン以上に焼きが難しい部位だろう。
焼き加減で極上の旨さを台無しにしかねない。
焼きあがったヒレを他の塊肉のように切り分けると、中は見事にミディアムレアだった。
このヒレは、ハサミで切るには限界に近い厚さにもかかわらず、最高の柔らかさ。
そして、赤身の旨さがすごい。
口の中でほどける柔らかい肉繊維からは上品な旨みが溢れてくる。
このヒレならいくらでも食べれてしまう。

最後はミノサンドとホルモンで〆。
炭焼喰人に行くのは基本的には土日なので、ホルモン系はあまり頼まないのだが、ミノサンドはかなり旨い。
ここまでサンドされた脂が自己主張するミノサンドは初めて。
これは次回以降も定番になってしまいそうである。
今回の内容であれば、焼き仲間にも十分満足してもらえただろう。
それにしても炭焼喰人は行く度にどんどんレベルアップしている。
次回はどんなMeatを食べる事ができるか非常に楽しみである。