No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年12月15日 くにもと 本店

旨い赤身肉を食いながら、職人の技を堪能するために"くにもと"へ。
今回は"別格"ではなく"上等"で、いざ焼き開始。
お決まりの赤身刺しは、しっとりとしていて上品な甘み。
これで500円は反則でしょう。

"上等"の内容はこんな感じ。
塩系
 上バラ(北海道産)
 上ハラミ (黒毛和牛)
 上リブロース (淡路牛)
タレ系
 上芯玉ロース(北海道産)
 上イチボ(北海道産)
 上バラ(北海道産)

上バラは塩もタレも両方旨い。
バラにもかかわらず、脂というより赤身部分の旨さの方が前面に出ている印象だ。
上ハラミはハラミ独特の荒々しい感じの食感で、食い千切られた肉繊維から出てくる肉汁も申し分ない。

塩系で一番旨かったのは上ハラミだと言いたいところだが、次に食べた上リブロースが、また猛烈に旨い。
脂っこさの微塵もなく、塩ダレで際立てられた甘みが最高。

上イチボの甘みも捨てがたいが、タレでずば抜けて印象深かったのが上芯玉ロース。
過去に何度か旨すぎる芯玉ロースをくにもとで味わっているが、今回もすごい。
赤身の濃厚な旨みや柔らかさがヒレを食べているようだ。
お肉の目利き、熟成、カット、タレとのバランス等、"くにもとのすごさ"はこの上芯玉ロースを食べると一番感じるのではないだろうか。

最初は"別格"にも惹かれたが、やはり"上等"でも十分すぎるほど旨い。
当然の如くお代わりMeatを検討する。
メニューには"上芯玉ロース(松阪牛)"の文字があるではないか。
北海道産の上芯玉ロースがあれほど旨かったのだから、松阪牛と聞いては頼まずにはいられない。
期待の松阪であったが、旨いことは旨いのだが、北海道産の上芯玉ロースの方が圧倒的に旨い。
ちょっと残念。

トモサンカク(松阪牛)はサシがそれほどでもないが、赤身の旨さが際立っている。
今回の松阪牛は、上芯玉ロースもトモサンカクもサシが控えめな印象。
私はトモサンカクが好きで、特にその細かなサシに心を奪われていたのだが、このトモサンカクは赤身の旨みが強く、また別の味わいを教えられた。

誰が何と言おうと絶対旨いのが上肩ロース(北海道産)。
部位は肩ロースの中のザブトンなのだが、これが旨すぎ。
柔らかで蕩ける食感と甘い甘い脂が何とも言えない。
そして、赤身の旨みも素晴らしい事を付け加えておかねば。
この大判を考えるとCPも抜群なので、迷わずお代わり。
う〜ん旨すぎるよ、これ。
何枚でも食べれちゃう。


もう一枚食べたいという衝動を必死に抑えて、あるMeatを注文。
今回"別格"ではなく"上等"を頼んでも、絶対に注文しようと心に決めていた部位。
それは勿論ヒレである。
運ばれてきた特選ヒレ(北海道産)は厚みがあって、サシもしっかり入っている。
お恥ずかしながら、Meatの取り合いでジャンケンをすることに。
だが、お肉の神様が私を見放すはずもなく、一番にMeatをセレクト。
ここで負けていたら、悔し涙を流していたことだろう。
肝心の味の方だが、言うまでもなく至極の旨さ。
ほどける肉繊維の柔らかさと、なんと表現したらいいのか分からない上品な旨み。


最後は冷麺とホルモン盛り合わせで〆る。
新年早々くにもとで"別格"を攻めるのを誓ってお店を出た。