No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年3月26日 炭火焼肉 あもん

一生涯で焼ける回数は限られている。
それ故、失敗を恐れ、守りに入っている自分に気づいた。
そんな自分自身への戒めの為、新規開拓として"あもん"を選んだ。
お任せでお願いしたが、最初に出てきたのは刺身盛合せでタン刺し、ミスジの雲丹巻き、ザブトンの炙りの握り。
タン刺しは旨いのだが、カットが小さいのでインパクトに欠ける。
もう少し大きい方が甘みを十分に味わえるであろうに。
ミスジの雲丹巻きというものを初めて食べたが、これがなかなか旨い。
ただ、ミスジというよりは雲丹の方がインパクトがあるのが残念な点かも。
ザブトンの炙りの握りは五鉄でもだされるメニューでもある。
軽く炙ることで、ザブトン特有の甘みが増して、非常に旨い。

一人一皿出されたレバ刺しは下味がついたタイプで、これは普通かな。

いよいよ焼きに入ると、まずはサーロイン、ツラミ、黒豚の焼きしゃぶ盛合せ。
焼きしゃぶは網の上に小さな鉄鍋をのせて、この鉄鍋でお肉を焼いていく。
ツラミと黒豚はまあまあといった印象だが、サーロインは赤身とサシのバランスが良く、ポン酢との相性もあって旨い。
このサーロインで、これから出てくるお肉への期待が高まる。


厚切りで出されたタンは、厚切りの割には小さめ。
旨みはあるが、やはりタンは大きなカットで食べたいものだ。

厚切りサーロインは、薄切りの焼きしゃぶほどの旨みを感じない。
厚切りのザブトンは、ロースらしい甘みが強く、非常に旨い。
厚切りにもかかわらず、この蕩け具合というのも素晴らしいではないか。

次の盛合せはヒレ、前モモ、ランプ、ハラミ。
ヒレはサシがほとんどなく、あまり期待せずに食べたが、これがなかなか旨い。
他の3種類も普通に旨いといったレベルで、特筆すべきものはないか。

続いて出てきたのはレバパテ。
以前は"よろにく"でよく食べたが、最近はご無沙汰である。
鳥のレバだが、臭みもなく旨い。

ホルモンはタレ、塩3種類ずつの盛合せで、これまた無難な感じなのが残念である。
ホルモンの後は、焼肉屋さんでは珍しいハンバーガー。
網脂で包んだパテを焼いて、ハンバーガーを作るのだ。
これは珍しさもあって印象的だが、味の方は残念ながら普通。
赤坂見附のWPCバーガーとは雲泥の差である。
最後はタレのミスジ
これはミスジの甘さも感じる事ができ旨い。

全体的に塩の味付けが多いのだが、このお店も『素材の良さが分かるように塩で食べる』という事と『タレについての研究が足りなくて、ただ塩を振りかけている』ということを勘違いしているように感じる。
神戸牛を中心に揃えていることもあり、お肉自体はなかなか旨いし、食べさせ方にも工夫をしている。
ただ、タレにもっと力を入れれば見違えるようなお店になるはずだ。