No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年6月17日 房家

1度もしくは2度しか行った事のない焼肉屋さんは多い。
2度と行く価値無し!と思ったお店もあるが、そこそこ旨いけど特にまた行きたいと思わないお店もたくさんある。
私の中で日暮里にある"かんてき"は、まさに後者である。
どれも平均レベルで、ほとんど印象に残らないお店であった。
"かんてき"の系列店には本郷三丁目に"房家"があるが、個人的には惹かれるものは何もなく、今まで未訪問が続いたのだ。
ところが、今回部署の新人の歓迎会という事もあり、会社からある程度近く、リーズナブルなお店を厳選した結果"房家"を訪問することになった。
正直、全く期待していなかったのだが、お店を出る頃には、かなり印象に残るお店になっていた。
和牛鉄火巻きは、まあまあといったところ。

ここまでは"かんてき"の印象とさほど変わらない。
希少タン芯が運ばれてきて、我が目を疑った。
程よい厚さ、そして何と言っても極上品であることが一目瞭然であるサシの入った綺麗なピンク色。
焼く前からトングを握る手に力が入る。
こ、こ、これは旨い。
サクサクとした食感と共にジューシーな肉汁がたまらない。
あまりに旨くて、レモンをつけるのが勿体無い。
これほどのタン元に遭遇するとは、全くの想定外である。
このタンだけで判断すれば、黒帯級かもしれない。
唯一残念なのは、片面に隠し包丁が入っていること。
これほどの肉質であれば、隠し包丁など全く必要ないであろう。
肉汁が逃げてしまうだけだ。
それにしても旨いタンである。


厳選5種盛りはヒレ、サーロイン、肩芯、巻き、イチボ。

ヒレは柔らかさがあって旨い。
ただ、贅沢を言わせてもらえれば、もう少し旨みが強ければ言うこと無しだろう。

サーロインは舌の上で蕩けていく。
脂の甘みも素晴らしいが、赤身のしっかりした旨みも味わえる極上品。

肩芯もサーロイン同様素晴らしい肉質。
サーロインと似ているので、モミダレ等で変化をつけて食べてみたいものだ。

巻きはサシが十分の見た目どおり。
脂の甘みはあるが、若干脂がしつこく感じる。
私の大好きな部位だけにちょっと残念。

イチボは赤身の旨みがしっかりとしていて旨い。
サシ重視の盛合せの中で、ホッとする旨さである。

タン芯と盛合せに気を良くして追加注文へ。
オススメだというシャトーブリアンは確かに旨い。
しかし、盛合せのヒレとの違いはそれほど感じない。
これはシャトーブリアンが悪いのではなく、盛合せのヒレが良かった為であろう。

他にはシンシン、タテバラ、カルビ、ハラミを追加注文したが、赤身の旨みを堪能できるシンシンが特に印象的。

想像以上に満足して〆の冷麺へ移行となった。
全体的に肉質はかなり高いだろう。
残念なのは味付けのバリエーションが少ないこと。
今回は品切れもかなりあったので、次回は開店と同時に焼き始めて、房家の魅力を満喫してみたいものだ。
ちなみに基本的に1皿5切れというのも嬉しい。