No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年7月13日 よろにく

通いつめても通いつめても、まだまだ先が見えない。
底力が未だに計り知れない。
これだけ通いつめても、今回もまた驚かされ、満足させられてしまった。
最高のお店で食べる最高のお任せコースの幕が上がる。
センマイの淡い味わいと食感を最高に感じることができるセンマイ刺し。
よろにく、ゆうじ、KIMでセンマイ刺し御三家。

刺身盛合わせはタン元、巻き、千本筋。
タン元は生とは思えない甘みが口いっぱいに広がる。
ザクザクの歯応えも心地よい。

巻きは焼いて食べるようなサシのびっしり入ったものではなく、意外にさっぱりと食べられる。
しかし巻きの刺身とは何と贅沢なことを・・・。

コラーゲン感たっぷりの千本筋は甘みが強くて、想像以上に柔らかな肉質。
こんな千本筋は他で食べたことがない。

今回の平ユッケはリブ芯。
イチボを使った平ユッケに比べて赤身の旨みの濃厚さは一歩劣るが、甘みや食感を含めたトータルバランスではリブ芯がNo.1。
真似をできるお店はまずないであろう。

タンユッケはタン先とタン元部分が交じっている。
個人的には醤油よりも甘めの味付けの方が好きだが、コース全体のバランスを考えると醤油なのかもしれない。

焼肉屋さんで食べられるシャトーブリアンの最高峰。
ランクによる差が出にくいと感じる部位だが、よろにくのシャトーブリアンは完全に別格。
『これが本当のシャトーブリアンなのだ』ということを肉好き全員に知ってもらいたい。


最近薄切りが続いていたタン元も久しぶりに厚切りで。
やはり極上の黒タンのタン元は厚切りで食べるのが一番。
タン元についても、よろにくと張り合えるお店には行ったことがない。


カタサンカクはしっかりと熟成され、旨みが凝縮した感じ。
赤身好きには堪らないだろう。

シャトーブリアンは薄切りのタレでも登場。
シャトーブリアンの繊細な旨みを堪能するなら厚切りの塩だが、この薄切りのタレは何とも言えない贅沢感を味わえる。
肉質、カット、タレの全てが完璧に噛み合っている。

ハラミは贅沢な塊カット。
ガスで焼くのは非常に困難だが、やらざるを得ない。
自分の焼き技に自分で驚きつつも、我ながら完璧な焼き上がり。
肉汁がパンパンに詰まった塊は、口の中で一気に決壊して、最高の洪水を呼び寄せた。

ササは珍しく厚切りで。
バラ系にもかかわらず澄み切った旨みがあり、葱との相性も抜群。
よくある脂っこいだけのササとは大違い。
これぞ雌牛なのかもしれない。

最近定番化しているっぽいタテバラの握りとお吸い物での口直し。
いつもよりも若干ぱさついた印象を受けたが、サシの甘みとシャリのバランスは流石。

お皿の上のお肉を見て、思わず笑ってしまったのがスタミナ苑風にカットされたハラミ。
スタミナ苑独特の開いたカットは、他のお店では見たことないものだ(笑)
食感はスタミナ苑の様なホロホロと解れるものではなく、肉繊維の弾力をしっかりと味わえる。
塩ダレで揉み込まれたもので食べてみたかったが、甘めのタレも良く合っている。
塩のハラミもそうだが、今回のハラミは本当に当たりで、恐ろしく旨い。

定番のミスジ、薄切りタレのサーロイン、厚切りのサーロインは安定したハイレベルな旨さ。
よろにく初心者であれば、この3種の神器でノックアウトだろう。



肩芯は若干厚みがあるが、柔らかな食感は健在で、さっぱりとした甘みが印象的。
問答無用の旨さに昇天。

肉質だけでも他店を寄せ付けないレベルだが、この研究熱心な姿勢には本当に頭が下がる。
焼肉に"究極"という言葉は存在しないと思うが、間違いなく"究極"に一番近いお店ではないだろうか。