No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年11月11日 よろにく

私が考える東京No1の焼肉店"よろにく"。
肉質、カット、味付け、コースの構成等、全ての部分が都内トップレベルである。
肉質部分でよろにくを支えている精肉屋さんの中で大部分を占めるのが"日山"であるが、今回は"日山"と"中勢以"のお肉を食べ比べる機会に遭遇した。
まずは"中勢以"のお肉で刺身盛合わせから堪能する。
カメノコ、イチボ、クリ、内モモをVANNEさんセレクトの5種類の塩で食べてみる。

まずはクリから。
熟成による風味がかなり強く鼻に抜ける。
赤身が強いが、硬さもなく、非常に食べやすい。

内モモは刺身で好きな部位だが、"中勢以"の内モモは若干筋が口に残る。
炙った方が旨いかも。

イチボ
熟成の影響か、牛の個体差かは分からないが、赤身とサシのバランスがイチボっぽくない。
赤身の味はしっかりしているが、他の部位との違いは感じにくい。

カメノコ
赤身の味の濃さはすごい。
噛んだ食感も言うこと無し。
刺身ではカメノコが断トツの旨さ。

焼きは"日山"のシャトーブリアンから。
乱暴に扱うと千切れてしまいそうな繊細な食感、雑味のない澄んだ旨み、全てが完璧。
どうしたらここまですごいシャトーブリアンが出せるだろうか。


チャーシュー風タン筋を北京ダックの様にして食べる。
手作りの皮も非常に旨い。
ビール好きの人には堪らないのではないだろうか。


ユッケは炙ったバケットに乗せて食べる。
バケット自体も風味があって、ユッケの旨みと良く合う。
それにしても、ここまで旨いの濃厚なユッケも珍しいと思う。


タン元は薄切りと厚切りの2種類で楽しむ。
薄切りは滑らかな食感で、薄切りとは思えないジューシー感がある。
厚切りは相変わらずと言うか、流石というか、とにかく素晴らしい。
私がタンに求める全てが詰まっている。


ミスジは"中勢以"のもので、見た目からミスジとは判別しにくい。
風味と旨みはあるのだが、ミスジ特有の感じはなく、他の部位との違いが感じにくい。

"中勢以"の内モモはタレ焼きで。
これは筋が非常に強く、赤身部分を噛み締めるというものとは別物。
やはり熟成が強すぎる感じがするのだが。

刺身でも食べた"中勢以"のクリをタレ焼きでも味わえた。
生よりも風味が落ち着いた感じを受ける。
個人的には焼いた方が好み。

薄切りタレのシャトーブリアンは"日山"から。
"中勢以"のお肉の後に続けて食べると、その繊細さに驚愕してしまった。
すごいMeatだ。

VANNEさんが塊で焼いてみたというタン。
真ん中辺りであろうか。
表面の香ばしさも加わって、なかなかの旨さ。

風味というより、若干臭みが感じられるシキンボ。
それにしても硬すぎ。。。

ミノは薄切りとは思えないほどザクザクとした食感が心地良い。
新鮮な貝でも食べているようだ。

やはりミスジに関しては"日山"の圧勝。
これは仕方ないかな。

シルクロース(薄切りタレのサーロイン)は、まさにサーロインらしい王者の貫禄。
正真正銘の蕩ける食感はすご過ぎるにもかかわらず、決してしつこくない。

リブ芯は見とれるほどの厚切り。
上下の2面のみ焼きた一片は、噛み締める度に旨みを放出してくれる。
和牛の旨みが凝縮された奇跡のMeat。

最後は"中勢以"のサーロイン。
艶やかな小豆色で熟成具合の素晴らしさがうかがえる。
風味が素晴らしく、肉の味もしっかり感じられて旨い。
ただ、ミスジの時にも感じたが、その部位特有の味わいが若干消えているようにも感じる。

今回も最高峰の焼肉を味わえ、満足感に満ち溢れてお店をあとにした。
しかし、最近名前ばかりが一人歩きしてしまっている感じある『熟成』という言葉だが、改めて品種・部位・手法について考え直してみたいと思う。