No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年12月27日 西洋料理 島

長かった禁肉生活から、やっと解放された。
試験で疲労困憊の身体に精を付けねば。
最近毎日のように考えていることがある。
『焼き』についてである。
部位、肉質、カット、味付け、熱源、熟成具合等々によって変えるべきベストの『焼き』を模索中なのだ。
とは言え、経験的にも理論的にもある程度ベストに近づいてきていると思われ、自分の考えと肉焼きのプロとの間に、どんな差があるのか知る為に、久しぶりのステーキへ
東京に沢山あるステーキ屋さんの中でも、最高峰を争うとなると、"麤皮系"と"八重洲の京都ゆたか系"であろう。
今回は後者の中のお店を攻めてみたい。
牛刺し
"京都ゆたか系"らしくヒレの刺身。
薄切りだが、風味は強く、和牛らしいすっきりとした旨みが口に残る。
ただ、熟成が強めにされている感じで、水分が飛びすぎている感じもあるので、もう少し瑞々しさがあれば満点だろう。
ちなみに付け合せのスライス玉ねぎと一緒に食べると、逆に玉ねぎの水分が多すぎて、口の中に嫌な感じが残る。
オススメは玉ねぎ無しで(笑)
中毒度 4

シャトーブリアン
運ばれてきたMeatを見て、興奮が抑えられなかった。
まず見事な厚さで、私が一番求めていたカット。
なにより、私が考えていたヒレの焼き加減に恐ろしく近い。
ヒレは強めの火を入れると、肉繊維が硬くなってしまう為、ヒレらしさを一番感じるには、柔らかな火入れで温めるイメージなのだ。
今回のMeatもまさにそれ。
完璧な焼き加減と同時に驚かされたのは、その旨さ。
すっきりとしていながら、ジューシーな肉汁が豊富で、肉自体の旨みが口、喉を経て頭に回ってくる感じ。
お〜過去最高に近いヒレに遂に出会った。
"ドン・ナチュール"はヒレもサーロインのようにカリッと焼き上げてしまう。
"京都ゆたか"の優しく火入れされたヒレも勿論旨いが、"島"の方が、より旨みが凝縮されるカットと焼き加減ではないかと感じる。
中毒度 6 (メータ振り切り)


サーロイン
こちらはとんでもない厚さ。
こんな厚切り初めてである。
サーロインはシャトーブリアンと違って、カリッとした焼き上がりで、脂っぽさは皆無。
とは言え、肉汁は噛み締める毎に溢れ出す。
"哥利歐"のサーロインに比べたら、旨みの濃厚さが段違い。
中毒度 5


とにかく久しぶりのステーキには驚かされた。
昔ステーキを食べていた頃と自分の味覚が変わってきてるのかもしれないが、とにかく"島"の衝撃度は半端じゃない。
再訪もすぐにしてみたい。
それと同時に、予約がず〜と取れなくて訪問できていない"かわむら"に行きたい。
誰か連れて行ってください(涙)
今回の極上ステーキで、自分の『焼き』に対する考え方に間違いがなかったことを実感。