No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年4月13日 よろにく



先日一緒に"KIM"に行った焼肉マニアの壮行会が、メンバーを変えて"よろにく"でも行われた。
なんとも濃いメンバーで、『焼肉マニアの焼肉マニアによる焼肉マニアのための焼肉』といった感じ。
そんなメンバーで楽しむVANNEさんのお任せは、今回も本当にすごかった。
肉そうめん
細切りされたお肉が出汁の中に。
お肉自体は赤身の味がしっかりしていて、旨みが強い。
全体のバランスがもう少しまとまると恐ろしい一品に化けそう。

ハツ刺し
生のホルモンにありがちな臭みも全く感じられず、歯応えが素晴らしい。
"傳々"のハツ刺しに近い。

チマキ刺し
見た目は筋がしっかり入っているが、食べると筋の硬さが全く感じられない。
甘みが強くて、牛刺しとして非常に旨い。

イチボ刺し
チマキ刺しとは全く違った食感。
舌の上でふんわりと蕩ける食感が上品。

センマイ刺し
センマイ特有のシャキシャキとした歯応えが心地良い。
焼肉食べる前のセンマイ刺しって、最近外せなくなってきた。。。

シルクロースの平ユッケ
口の中で甘めのタレと溶けたサーロインのサシの甘みが交じり合う。
贅を尽くしたユッケであるが、同じようにサシのある部位でも、トモサンカクやイチボの方が、タレとの相性は良いかもしれない。

ハツ
"ジャンボ"のハツは非常に旨いが、"よろにく"のハツは"ジャンボ"よりも厚切りで、食感の良さが一層際立っている。
ハツ焼きの完成形といえる一切れ。

タン元の開き
鮮やかなピンク色のタン元が、包丁で綺麗に開かれている。
片面焼きで、生の方を外巻きにして食べると、なんとも艶かしい舌触り。
焼き加減の難易度も高い。
焼き過ぎるとパサパサ、焼きが足りなければあの舌触りには出会えない。
1枚のタンと真剣に向かい合って、言葉を交わすべし。

タン元
焼きあがったタン元に前歯を立てた時、ザクッと音がするような食感。
噛み切ったタン元を奥歯で噛み締めた時、詰め込まれた肉汁が一気に溢れ出す。
生の黒タンはやはり厚切りが最強。

ユッケ
揚げた蓮根の上にユッケが乗っている。
ユッケと蓮根の食感の違いがアクセントになっていて、揚げた蓮根にユッケのタレもまた合っている。
肉料理としての完成度が高い。

ハラミ
塊のハラミはVANNEさんが焼いてくれる。
困難なガスでも見事な焼き上がりは流石。
肉繊維にパンパンに詰まったあつあつの肉汁が、至福を運んできてくれる。


タン筋の北京ダック風
軽く炙って香ばしさをプラス。
焼肉の合間に面白い。

ランプ
"ジャンボ"を彷彿させる味わい。
風味もあって、タレとのバランスが完璧。

シャトーブリアン
ここまで上質なシャトーブリアンを薄切りのタレで食べるとは。
丸めて一口で食べると、空気を含んだ食感が、一層肉質の繊細さを際立たせている。
旨みも濃厚で、人の分まで食べたくなってしまうほど。

ハラミのたたき
脂がちょっと口に残る感じはあるが、生肉の味わいと、表面の香ばしさがたたきの良さか。
それにしても、たたきに使ってる部分が贅沢。

生春巻
さっぱりとした中に生肉の風味が良くあってて旨い。

ミノ
歯応えがザクザクとしていて、なんとも心地良い。
完璧な歯応え。

ミスジ
VANNEさんが突然、特製のロストルをセットした。
これで普段のSHINPO製と、この分厚い鉄板型とで食べ比べを行うのだ。
鉄板型で焼いたミスジは、モミダレが程よく煮詰まり、ガツンとした印象。
まさに"ジャンボ"で食べるミスジに近い。
その後に普段のロストルで焼いて食べると、ずいぶんさっぱりとしていて、味わいの違いに驚く。
焼肉の奥深さを痛感。


シルクロース
綺麗に掃除されたサーロインの芯部分。
赤身の旨さもあるが、やはりサーロインらしい肉汁とサシのバランスが最高。

サーロイン
厚切りのサーロインをポン酢で食べれるお店は多いが、肉質は勿論、ポン酢の旨さでも頭一つ抜きん出ている。

ザブトン
ザブトンの旨さを体感するのに最も適しているのではないか、と思われるカットと味付け。
最高の食材が、最高の状態で口に運ばれる。
問答無用の旨さ。

ヒレカツ
今まで"よろにく"で食べたシャトーブリアンの中では最厚。
しかも通常ヒレカツにしてくれるのは、シャトーブリアンというよりはもう少し赤身の強いヒレ
今回はかつてないほどの贅沢な一品。
厚切りで、今まで以上に肉繊維の柔らかさが強調される。
これが油を吸わないように薄く付けられた衣とベストマッチ。
肉自体の旨みの濃厚さは言わずもがな。


最高の感動を味わうために、我慢に我慢を重ねて、数ヶ月ぶりに"よろにく"を体験したが、想像を絶する満足度。
都内最高の肉質と、都内最強の肉マニアVANNEさんによる提供には打ちのめされた。
こんなお店が存在すること自体に感謝。