No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年5月6日 七厘


七厘は最近できたお店ではない。
かといって、昔から流行っていたお店ではない(はず)。
お店の方向性の転換、その為の努力、そしてその成功にはただただ感心させられる。
お店が流行りだすと、だんだんクオリティが下がるお店がある中で、流行れば流行るほどクオリティが上がるというのは、本当に素晴らしいお店だと思う。
今回は急な訪問だったこともあり、悶絶コースではなく、7種類のお肉の盛り合わせが堪能できるお任せコースを頼んでみた。
幻のタン
幻のタンはお任せコースに含まれていないので別途注文したが、タン元、タン先、タン筋の盛合せになっている。
タン先は、タン先と言いながらも、真ん中付近に近いようで、硬さもなく、旨みもしっかり感じられる。

タン筋は筋からでる甘みと塩ダレが程よい。

主役のタン元は適度な厚切りで、デロンっとした姿に一目惚れ。
歯切れの良さが印象的な食感と肉汁の豊富さは、生の黒タンの根本ならではだろう。


サーロイン
お任せコースの初っ端は薄切りのサーロイン。
一般的には後半にでてきそうなお肉だが、肉欲求が最高潮に高まっている時に食べるのは斬新的で、しかも非常に満足度が高い。
肝心のサーロインは、"傳々"を彷彿させる見事な掃除がしてあり、細かなサシが満遍無く散りばめられた姿に惚れ惚れしてしまう。
更にその旨みは、見た目以上の素晴らしさで、『sir』の称号に相応しい。


ブリスケ
肉質が硬めな部位だが、赤身の味わいはしっかりしていて旨い。

カニ
カニクという部位で出しているのは珍しいかな。
ただ、"ジャンボ"のナカニクに比べるとワンランク落ちる。

ミスジ
若干筋が口に残る。
味わいは十分だっただけに残念。

ネクタイ
見た目はそれほど惹かれなかったが、食べるとその印象は一気に覆された。
赤身の繊維が柔らかで、鼻に抜ける風味がすごい。

肩芯
肩芯は肩芯でも、かなり首に近い部位であろうか。
サシは入っているが、筋の様に太く、その食感もあまり良くない。

肩三角
お任せコース最後の部位は肩三角。
赤身らしいしっかりとした旨みが印象的。

シャトーブリアン
追加オーダーに悩んだが、シャトーブリアンがあるなら、頼まないわけにはいかないだろう。
3センチはありそうなすごい厚切りで、細かに散りばめられたサシも見事。
丁寧に焼き上げた厚切り肉を噛みしめると、ヒレ特有の食感とジューシーな旨みが一気に広がる。
さすが雌の5番だと感心するしかない。


今回のお任せコースは、以前食べた時より若干お肉の部位的な高級感下がった気がするが、それでも抜群のCPだろう。
特にサーロインは本当に素晴らしかった。
また、この変動も1頭買いしているお店であれば当然の事であり、それも楽しみに通いたいお店である。