No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年11月25日 くにもと 新館


確かな目利きで上質な黒毛和牛を仕入れ、「職人」と呼ぶに相応しい技術でそれを仕込むお店"くにもと"。
普段はなんとなく落ち着く本店ばかりに行っていて、新館は一度しか行ったことがないのだが、今回は久しぶりに新館へ。
本店は生肉代わりにローストビーフがあるが、新館では湯引き。
タレと野菜と一緒に食べると、さっぱりとしていて旨い。

最近本店で「上等」、「別格」と続けて食べているので、今回は「飛び切り」を堪能してみる。
塩ダレは3種類。
クリノミ
一切れ目から気持ちの高ぶる味わい。
さっぱりとしていて、しっかり噛むといつまでも続く旨み。

ミスジ
ミスジのふんわりとした食感を活かしつつも、旨みも堪能できる絶妙な厚さのカット。

ハラミ
力強く奥歯を押し返す弾力と、それを噛み切った時の肉汁、どちらもハラミらしさが前面に出ている。
旨し。

タレは4種類。
シンシン
食べた瞬間、思わず笑ってしまう。
コクのある赤身。

トモサンカク
赤身自体旨いが、さらりとしたサシの甘みも捨てがたい。

ヘレ
「飛び切り」にもヒレが入るとは嬉しい限り。
肉質自体も素晴らしいのだろうが、熟成具合というか保存状態というか、そういったところへの心遣いが伝わるお肉。
非の打ち所無し。

サーロイン
サーロインの中でも後方の部分。
かなりの薄切りだが、赤身のしっかりした旨みが感じられ、サシの甘みと香りも心地良い。
タレとの相性も抜群。


〆は冷麺。
一般的に知られている本店と新館の違いは、ビールや座席だが、冷麺もだいぶ違うようだ。
どちらかというと本店の冷麺の方が好みだが、新館の冷麺も旨いね。
ちなみに本店では量しか選べない切り落としも、新館では並と特上(上?)が選べる。
久しぶりの新館も、やはり満足度の高いお店であった。
接客に関しても、お肉の説明や網を替えるタイミング等完璧なのだが、お店を出た後、席に落とした定期入れを店員さんが走って届けてくれるなど、本当に頭が下がる。(ご迷惑おかけしてすみません)
ちなみにお店のHPによると、わざわざ走って定期入れを届けてくれた店員さんは2012年に熊本で独立するらしい。
こんな素晴らしいお店で修行をされて、しっかりとした技術も持っているのだろう。
九州全土どころか、東京まで名前が届くようなお店を作り上げて欲しい。
頑張ってください!