No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年12月26日 七厘

気心知れた焼き仲間との忘年会は、シンプルな焼肉の中に細かな仕事を感じるお店"七厘"で開催。
中原さんが絶賛していた長期肥育の常陸牛がどれほどのものか、期待で胃袋を膨らませながら三ノ輪へ急いだ。
幻のタン
定番中の定番。
いつも以上に旨みの濃さに驚かされたタン元は、肉繊維の肌理の細かさにも驚く。
タン元以外にも、タン先もしっかりした旨みで、これでも十分勝負できるレベル。
ここ最近は都内の優良店でも、以前ほど上質なタンに巡り合うことが減ってきた感じがするが、"七厘"は全く衰えを見せずに、仕入れのレベルが高さを感じる。



サーロイン
他のお店と"七厘"の違いを感じるのが、このサーロイン。
終盤で持ってくることが多い、薄切りタレのサーロインを序盤に持ってくるのだ。
ただ、このサーロインにしつこさなど皆無で、実にさっぱりとしている。
特に今回の個体の旨みは、身体中に痺れを感じるほど。

上ハラミ
このハラミを噛み締めた全員の動きが一瞬止まったようだった。
いったいに肉汁の成分はどうなっているのだろうか。
とにかくすご過ぎる。

巻きロース
最近驚くほど旨い巻きに出会っていないのだが、今回の巻きは違う。
お肉の味が脂に全く負けていない。
お肉の味を邪魔しないタイプの塩が実に良く合う。

ミスジ
しっとりとしていて、判の大きさの割りに、肉繊維の繊細さを感じさせてくれる。

シンシン
掛け値なしに旨い。
風味、食感、旨み、全てが理想的。

イチボ
見事な大判での薄切りで、カットの技術の高さを感じる。
他のお肉がすご過ぎて印象が薄れているが、唸って食べていたのは間違いない。

カイノミ
細かくて深い隠し包丁で見た目は綺麗だが、やはり肉汁の流出は免れない。
もう少し肉の食感を感じたいので、隠し包丁無しでも食べてみたい。

切り落とし
2人前注文したが、あまりの旨さに満場一致で2人前お代わりした切り落とし。
これが1人前650円というのを信じられるだろうか!?
目の前で奇跡が起こっている。


気心知れた焼き仲間との忘年会ということで、周りに人のお肉の分まで注意しなくても良いというのは、やはり心地良い。
というか、驚愕の連続で、自分の肉に狂っていた、というのが事実かもしれない。