No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年5月23日 うしごろ


焼肉屋さんの新規開拓をする場合、自分にあうお店か、あわないお店か、というのは1回の訪問でだいたい分かるものだろう。
勿論、牛肉は個体差があるので、どんなお店でもハズレの時があるのは理解できるが、カットや味付け、お肉の保存状態で、普段の水準もある程度伝わるものだと思う。
そうは言っても、その真の姿をなかなか判断できないお店もある。
その1つが"うしごろ"である。
過去2度の訪問では、単品オーダーとオンリストされているコースでのオーダーを経験していているのだが、今回はお任せでコースを組んでもらい、そのポテンシャルを余すところ無く体験してみることに。
キムチ

前菜

レバ刺し
良く言えばレバっぽい香り、悪く言えば臭みが少し感じられる。
個人的には悪くないレバだと思う。
満足度 3

ユッケ
この時期にユッケかと思ったが、内臓に分類されるサガリのユッケであった。
細かくカットされているため、サガリ特有の食感はなく、より正肉に近い感じがする。
タレとの相性もよく旨い。
満足度 3


春菊サラダ
これ好きだなぁ。

ザブトン炙り握り
口の中で蕩けるザブトンとご飯が、心地良く絡み合う。
生で食べれなくなったのが、口惜しい。
満足度 3

極みのタン
タンの旨みではなく、タンの風味と強めの味付けのマリアージュがタン好きの気持ちを高めてくれる。
黒タンを使わずとも、旨いタンはやはり旨い。
強いて言えば、オープン当初に食べた艶やかな食感と無駄のないカットのタンだと最高なのだが。
満足度 4

厚切りハラミ(塩)
厚切りで肉汁が溢れ出るハラミ。
若干臭みを感じるが、それを補う旨さがある。
満足度 3

シャトーブリアン
"うしごろ"で初めて食べる部位で、かなり期待が高まる。
肉質は柔らかで、ヒレらしく繊細な肉繊維がホロホロと解ける。
残念なのが、カットと味付けのバランス。
味付けは塩だけにし、もう少し厚めのカットや、この厚さであれば、思い切ってタレなど、個人的には改良の余地があって、勿体無く感じてしまった。
満足度 3

トウガラシ
店員さんの指示により、酢橘を1滴たらして食べる。
う〜ん、お肉は悪くないのだが、個人的にあまり味付けが好みじゃないかな。
満足度 2

サーロイン
過去2回はポン酢だったが、今回はタレで。
サーロインらしい力強さで、タレとの相性も抜群。
これは旨いよ!
満足度 4

シンシン
しっとりとしていて、タレに負けない上品な旨みがある。
満足度 4

ザブトン
大判を頬張ると、口いっぱいに甘みが広がる。
しつこさがなくさっぱりとしたザブトン。
満足度 4

上カルビ
ご飯のお供に最適なタレのカルビ。
満足度 3

厚切りハラミ(タレ)
塩よりタレの方が今回のハラミが活きるかな。
肉汁と甘みのあるタレがよく合う。
満足度 3

上ミノ
ザクザクとした食感が理想的なミノ。
これを甘く見てはいけない。
満足度 4

シマチョウ
ミノの出来の良さが際立っていたので、余計に歯切れの悪さが気になる。
悪くはないが、普通過ぎるかな。
満足度 2

冷麺

デザート

初めてのお任せだったので、コースの内容を全て載せたが、全体的に非常に満足できるコースであった。
圧倒的な肉質で押していくタイプではないので、"よろにく"や"七厘"で焼肉を食べ慣れている人には、物足りなさを感じてしまう人もいるかもしれない。
しかし、カットや味付けのバリエーションを含めて、非常に研究熱心な印象を受けるし、それにより1切れ1切れの完成度が上がっている。
また、接客が心地良く、リラックスして焼肉を楽しむことができる。
値段も含めて、安心して人に勧められるお店とは、こういったお店のことだろう。
すでに高水準だが、まだまだ糊代はあると思うので、これからの更なる進化も期待したい。