No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年6月17日 ジャンボ 篠崎本店

『父に日』ということで、『何を食べたい?』と家族に聞かれた。
こんな私に、そんな優しいことを言ってくれるとは。
そして、何と答えるか分かっているのに、そんなことを聞いてくれるとは。
家族っていいものだなぁ、と感慨深くなりながら向かったのは"ジャンボ"。
お任せの1皿目は上タンとハツ。
いつもと通りのスタートだが、この日の上タンはなんとも上品な歯応え。

2皿目は野原焼きで、細かなサシが満遍無く散らされたサーロインが運ばれてきた。
割下と卵との相性は抜群だが、サーロイン自体の旨みがいつもより弱く感じる。
見た目は文句のつけようがない素晴らしさなのだが。

続いてササミ、ランプ、三角カルビ、サガリ
どれもこれもいつも以上の高レベルだが、中でも特筆すべきはサガリ
ギュッと詰まった肉繊維には、主張が強いのだが嫌味のない旨みが詰まっていて、"ジャンボ"秘伝のモミダレとのマリアージュで、食べ手を昇天させる。

お任せの終盤はトモサンカク、ミスジ、ザブトンという御三家で。
今更説明不要のお肉達だが、全く期待を裏切らない安定感には脱帽する。



子供用に頼んだ並ロースを味見させてもらったが、赤身のコクと旨みが強い。
子供達には、このロースで、お肉の味わいを学んでもらいたいものだ。

予約の際に、無茶を言ってお願いしたのが牛丼。
信じられないことに、サーロインを使用された牛丼で、あっさりとした優しい味付けで、牛丼では消されがちなお肉自体の旨みを感じさせてくれる。
途中からは紅生姜と卵もオン。
ここまでお任せをほぼ2人前食べていたが、あまりの旨さに、牛丼も1人で完食。


若干の苦しさを感じつつも、"ジャンボ"の素晴らしさと、『父の日』を意識してくれた家族の思いに嬉しさを感じながら帰路についた。