No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年11月5日 七厘


世の中には焼肉を一緒に楽しむような集まりが多数存在しているようだが、友人が勤めている同業他社には焼肉部というものが存在する。
嬉しいことにその会社の焼肉部にゲストとして参加させていただいた。
参加させていただく身分でありながら、お店を勝手に決めてしまうという図々しさを発揮していざ三ノ輪へ。
幻のタン
黒タンは仕入れが難しいため、安定して上質な黒タンを出してくれるお店は少ないのだが、"七厘"はその中でも特に素晴らしいレベルのタンのみを出してくれる。
ところがこの日は、いつも以上の信じられないレベルの黒タンに遭遇した。
炭火に当たった瞬間から立ち上る豊かな香りに唾液が溢れ出すが、焼き上がりのサクサクとした極上の噛み応えと肉汁に閉じ込められている純度の濃い旨みは他に類を見ない。
満足度 5

七厘ボール
安定感のある旨さ。
ここまで肉質の良いメンチって他にありますかね!?
満足度 3

サーロイン
サーロインの薄切りというメジャーなメニューを最も高い完成度まで持っていっているのは"七厘"かもしれない。
筋や余分な脂を全く感じさせない贅沢過ぎる掃除、旨みを際立たせる薄すぎない厚さ、重たさを感じさせない脂の質、一見すると甘みが強く感じるタレだが食べてみると恐ろしいほどマッチしている。
満足度 5

巻き
巻きは脂が強い部位、しかも厚切りなのだが、それをしつこく感じさせない味付けが施されている。
ここで焼き手は香ばしさを最大限高めることに努力して欲しい。
脂にしっかり火を入れることで感じることのできる味わいがある。
満足度 4

肩芯
ネックに近く筋を感じやすい部位だと思うのだが、それを全く感じさせないのはこの見事なカットの賜物だろう。
噛み締めるごとにジューシーさが高まる。
満足度 4

ミスジ
似て非なるものというか、"ジャンボ"や"よろにく"で食べるミスジとはまた違った印象を受けるのはその厚さからだろうか。
どんな食感や味わいを感じて欲しいのか、というお店側の気持ちが伝わる。
そして旨い。
満足度 4

ウワミスジ
名前にミスジと付いているが、その味わいはミスジとは全くの別物。
赤身に程よい柔らかさの繊細な肉繊維、そして旨みはより濃厚なのがウワミスジだ。
満足度 5

箸休め
アキレス腱、ローストビーフ、タン先のポテトサラダという何とも驚きの盛合わせ。
アキレス腱は河豚皮を連想させ、タン先のポテトサラダはタン先がポテトサラダの良いアクセントになっている。
だが、やはりローストビーフの旨さは頭一つ抜けている。
満足度 4

肩三角
赤身のコクがしっかりして旨いのだが、ちょい塩ダレのインパクトが強く感じる。
満足度 3

シャトーブリアン
肩三角と同様に塩ダレの強さはあるが、この分厚いカットとシャトーブリアンのポテンシャルの高さを全てを補って余りある。
時間をかけてゆっくりと火を入れると、この極上のシャトーブリアンは全力で返してくれる。
つまり、最高の味わいを約束してくれるのだ。
満足度 5

切り落とし
この切り落としを食べる為だけでも三ノ輪を目指す価値はある。
それほどの切り落としだろう。
満足度 4

焼肉屋さんで出されるお肉を見ると、そのお店のことが良く分かる。
そして"七厘"のお肉を見てみれば、中原さんのお肉やお客さんに対する真摯な姿勢を感じることができる。
"七厘"は誰も裏切らない。
全ての肉好きを救ってくれる。