No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年2月29日 ねぎし柳通り ステーキ懐石 定谷

下町情緒あふれる根岸の住宅街の路地深くにそのステーキ屋さんはある。
ステーキ屋さんと言いながらも洋食屋さんに近い部分もあり、正確なジャンルに当てはめるのは難しいだろう。
"定谷"にはメニューがなく、予算や好みに応じて店主がコースを組み立ててくれる。
タン
分厚いタンを炭火で焼いてくれるのだが、その食感から下茹でしてあるタンであることは分かる。
もちろん生のタンが好きだが、ホロホロとした柔らかさとさっぱりとした旨みがあり、タンの脂を重く感じる人には好まれる仕上がり。
満足度 4

河豚の白子
炭火で焼かれた表面はパリっと中はトロトロ。

ホタテ
醤油を塗って海苔に巻いて食べる。

椎茸
こんなにデカイ椎茸は初めて見た。

なめたカレイの煮付け
ここで初めて炭火焼き以外の一品。

カニクリームコロッケ
事前にビフカツをお願いしてあったのだが、店主が忘れていてカニクリームコロッケに。

ステーキ
宮崎の黒毛和牛のサーロインステーキ。
"定谷"のステーキの焼き方で興味深いのが、肉の表面にニュージーランド産のレモン(メイヤーレモン?)の果汁を何度か塗りながら炭火で焼き上げるところだ。
弱火で脂を落としながら、レモンを塗りながら、じっくりと火を入れていく。
焼く前の肉はサシがびっしりと入り、ちょっと身構えたが、焼き上がりは想像以上にあっさりとしている。
この独特な焼き上がりは初体験の領域。
食べた感じはおそらく去勢だと思われるが、これほど素材を引き上げる唯一無二の焼き方には驚きを隠せない。
満足度 4


鮑チャーハン
一言言えるとしたら、贅沢なチャーハンということでしょうか。

デザート


一見強面の店主だが、時間と共ににこやかな顔を見せてくれるようになり会話も弾む。
店主・定谷さんは日本橋の名店"誠"出身とのこと。
"誠"には行ったことがないが、ネット上に溢れる情報から"誠"に対して抱いていたイメージと重なる部分が多いことにも納得。
コースは高級食材のオンパレードで、それらをシンプルに提供するスタイル。
それ故、値段も決して安くはない。
また肉好きは肉だけ食べたいと思うかもしれないが、そういった我侭は常連にならないと(常連になっても?)難しそうだ。
それでもこのサシのびっしり入ったサーロインをここまであっさりと食べさせてくれる唯一無二のステーキを食べに根岸の路地を進む価値があるだろう。