No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年3月25日 ぱっぷHOUSE 渋谷本店


渋谷のセルリアンタワーの裏手に、かつて隆盛を極めた1軒の焼肉屋さんがある。
焼肉といえばカルビかロースだった時代に牛肉の部位を細かく希少部位として提供し、斬新なカットや盛り付けや今まで出会ったことのない味わいで世の肉好き達を狂喜乱舞させた。
値段は決して安くなかった。
むしろかなり覚悟を決めていかねばならないレベルだったかもしれない。
値段表示のない希少部位を興奮に任せて注文し、すっからかんになった人を何人か知っている(笑)
それでもお店は連日満席だった。
雑記等のメディアや世の焼肉好きだけでなく六本木ヒルズで働いていた某社長さんの圧倒的な支持で得て"ぱっぷHOUSE"の快進撃は続き、直営やフランチャイズを含めて支店が巷に溢れていった。
ところが、希少部位と呼ばれていた部位が焼肉屋さんで一般的になり、より安い価格で食べれるようになるにしたがい、だんだんと"ぱっぷHOUSE"の存在は薄れてきたのだ。
もちろん無法状態のように広がり品質でバラツキのある支店や、他店に比べて高水準な価格設定等も影響しているかもしれない。
今となっては渋谷本店のみなってしまっているようだ。
かつての"ぱっぷHOUSE"を知る者としては寂しいばかり。
今回はかつての名店を巡る旅ということで参加メンバー全員が重い腰を上げて渋谷に向かった。
芯三角
見た目はかつてのまま。
店員さんがハサミでサクサクと人数に切り分けた後に我々が焼かせていただくスタイル。
お肉の味は弱いがサシはそこまで重さもなくなかなかのレベル。
だが如何せんタレの酸味が強すぎて、全体的な評価はあまり高くならない。
満足度 3


ハネシタ
初めて"ぱっぷHOUSE"のハネシタを食べた時は、その盛り付けや味わいにただただ感動したのも覚えている。
それから何年経っているのか分からないが、あの盛り付けは今も健在!
これは嬉しいね〜。
厚さ的には"ジャンボ"のザブトンと同じ位で、お肉自体は悪くないんですがやはりタレの差は如何ともし難い。
しかし個人的には"ぱっぷHOUSE"のハネシタを食べれた、というだけで十分満足。
満足度 4


リブ芯
人数が5人だった為に2枚運ばれてきたのだが、ここまであからさまに2枚が違うというのも衝撃的。
この辺りを気にしない精神が"ぱっぷHOUSE"らしくて個人的には好きなのだが(笑)
2枚で脂の差は歴然。
小振りのリブ芯の方が個人的には好み。
満足度 3



まくら
まくら単体で切り出して食べさせてくれるお店は今でも少ない。
これは非常に旨かった。
冷凍っぽう食感もなく、お肉本来のコクとサシのバランスも良い。
タレをかなり落として食べたのも大きいかもしれない。
満足度 4


イチボ
唯一タレではなく塩で出てきたのがイチボ。
悪くはないのだが、普段食べているイチボと比較してしまうと、どうしても平均的な満足感しか味わえない。
旨いのだが、脂がきついからかな。
満足度 3


実は、なんと驚くべきことに希少部位が1人前一律2500円になっていた。
もちろん部位によって量が違うのだが。
お客の立場としては嬉しい限りだが、かつての強気な価格設定がずいぶんと弱気になったような気がして寂しいのも事実(笑)
『夏草や兵どもが夢の跡』
こんな俳句を思い出しながらお店をあとにしてしまった。
(ちゃんと渋谷本店は残っていますが!)