No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年4月4日 和牛焼肉 KIM


オススメの焼肉屋さんを聞かれるといくつかお店を挙げるのだが、必ずその中に入るのが"KIM"だ。
焼肉屋さんとして焼肉が圧倒的に旨いのは言わずもがな、"KIM"の評価を更に押し上げているのが料理長・吉田さんのアイデアと技術を存分に感じることができる創作の肉料理でもある。
私の好みを知り尽くした吉田さんのお任せには毎回ノックアウトされているのだが、今回はかつてないほどの衝撃で意識が見事に吹き飛んでしまった。
まさに世紀のノックアウトと言っても過言ではない。
そんな試合経過を今回は詳細に報告したい。
ハラミ刺し
臭みなどなくフレッシュな香りが広がり、肉の甘みが前面に押し出てくる極上のハラミ。
一噛みごとに気持ちの高ぶりが押し寄せる。
満足度 5

センマイ刺し
コリコリとした食感とさっぱりとした味付けがこれから突入するお任せコースへの期待を嫌が応にも押し上げる。
満足度 4

頬肉刺し
食感を大事にした極薄カットのツラミだがポン酢と葱に支えられて上品に仕上がっている。
満足度 4

サーロインのローストビーフ
今まで様々なローストビーフを食べてきたが、こんな贅沢なそれにはなかなかお目にかかれない。
オーブンを使って低温でじっくりと火入れをされたサーロインは一見すると生のように見えるが、一口食べれば見事に芯まで熱が伝わっていることが分かる。
口一杯に広がる甘みと肉本来の旨みは筆舌に尽くし難い。
満足度 5

ハツのソテー
新鮮なハツを軽くソテーにし、グラスドビアンソースがかけられている。
ハツはむちむち、グラスドビアンソースはコクがあってハツとの相性も抜群。
満足度 5

特選タン
単に脂がのったタン元というわけではない。
貴重な生の黒タンの中から厳選され、そこから丁寧に切り出されたタン元は、まず本来の味の濃厚さに驚く。
そしてその下に隠れた脂と鼻に抜ける芳醇な香りを楽しませてくれる。
満足度 5

特選ハラミ
ここまでハイレベルなメニューが続くことに驚かざるを得ないが、とにかく笑みがとまらない。
見た目を裏切らない、むしろ見た目以上の衝撃を与えてくれるハラミはキッチンで屠畜したのではないかと思ってしまうほどの食感。
満足度 5+

頬肉
食べやすく丁寧な包丁が入れられたツラミはちょっと強めに火を入れて筋の甘みを引き出すのが焼き手の仕事。
こういったメニューで塩加減や味付けのセンスが出るのだが、このツラミは流石のレベル。
満足度 4


内モモ
厚めのカットで内モモの柔らかさとジューシーな旨みを満喫できる。
噛めば噛むほど旨みが溢れ、それでいて嫌な硬さを感じさせない見事な内モモで、赤身好きを公言する人にはぜひ食べてもらいたい。
満足度 5


肩三角
マグロの甘みを彷彿させる上品な肩三角で、山葵醤油が見事にマッチしている。
満足度 4

ヒレと新じゃがのブイヨン煮込み
新じゃがや新玉ねぎといった野菜とお肉をあわせるのは"KIM"の専売特許だろうか。
ゴロゴロ入ったヒレと新じゃが。
ホクホクの新じゃがと煮込み過ぎていないヒレの食感は見事で、甘みのある優しい味付けに箸が止まらなくなる。
満足度 4

スモークタンとほうれん草のサラダ
ドレッシングやほうれん草といった強い食材に負けないスモークタンのインパクトがあって旨い。
満足度 3

シャトーブリアン
薄切りタレのシャトーブリアンは私の大好物。
フワフワで繊細な食感は淡く儚い。
下の上で上品に広がる旨みも秀逸。
満足度 4

リブロース
この日唯一残念だったのはこのリブロースの生産者を確認しなかったこと。
脂の甘みが強いが、それに全く負けていない肉の味。
これ1枚で肉好きは昇天間違いなし。
満足度 5

トモサンカク
口の中に数秒と留まってくれない蕩け具合。
だが脂の重さを感じさせない程の上質さを持ち合わせている。
満足度 4

ザブトン
粗くおろされた大根とポン酢が見事なアクセントになっていて、完成度の高いメニュー。
それを支えるのはポン酢に負けない味の濃さだろう。
満足度 4

タン筋煮込みとサーロインのローストビーフハンバーガ
毎回楽しみでならないのが"KIM"らしいお任せコースの〆。
ハンバーガーのバンズも料理長の手作りだという手の込みようだが、このバンズが本当に旨い。
そしてあのサーロインのローストビーフも再度登場。
豪華な物を詰め込めば良いとうのではなく、ハンバーガーとしてもバランスもしっかりと取れているのがまた凄い。
和牛ハンバーガーの最高峰がここにある。
満足度 5