No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年9月22日 焼肉 しみず



この日の“しみず“で食べた個体には思い入れがある。
通常、飲食店はお肉屋さんを信頼して、お肉屋さんの担当者が選んだものを運んできてもらうので、自分で選ぶ機会はほとんどない。
選ぶとしたら、運んできてもらった物についてだけだ。
今回は芝浦の食肉市場の冷蔵庫内で無数に吊るされた枝肉の中から、仲卸問屋さんから話を聞き、直接選んだものだから。
(もちろん私ではなく清水さんが。私は隣で話を聞いてただけ。)
しかも田村牛だ。
レバ
鮮度の悪いレバほど、火を入れると臭みがより強烈になる気がするが、このレバは全く違う。
甘みととろみがしっかりと口に残り、余韻が続く。
満足度 4

肩ロース(3種盛り)
3種盛りはプレーンでお願いしたが、この肩ロースがとにかく突き抜けている。
赤身の酸味と甘みのバランスが絶妙な上に、それをさらに引き立てる上品なサシ。
全てが高い次元で融合している。
満足度 5

トウガラシ(3種盛り)
肉色が濃く、見るからに食欲をそそる。
熟成香ではなく和牛特有の豊かな香りが鼻に抜ける。
満足度 4

ウワミスジ(3種盛り)
若干厚めにカットされたウワミスジは赤身由来の甘みが際立ち、噛み締めれば舌の上を転がるように旨みが溢れ出す。
満足度 4

上ハラミ
おまけで混ぜてもらったハラミ。
ギュっギュッと詰まった肉繊維はプリプリとした弾力で最後の抵抗をみせるが、最後は濃厚な旨みを残して消えていく。
満足度 4

クリ(5種盛り)
色々食べた部位の中で一番旨みが濃かったのがクリ。
口に入れた瞬間に溶けてなくなってしまうような部位ではないが、食べた瞬間にぱっと旨みが広がり、それが長く持続する。
赤身好きが泣いて喜ぶのではないか。
満足度 5

ミスジ(5種盛り)
一般的に味が薄いミスジにも驚くほど味が乗っている。
これこそ極上の和牛だろう。
満足度 4

サンカク(5種盛り)
年々バラが旨く感じなくなってくるのは歳のせいではない。
単純にバラが旨い和牛が減ってきているのではないかと思う。
何故ならこの田村牛のバラは極上の旨さだから。
満足度 4

ザブトン(5種盛り)
ふんわりと柔らかな食感を肉自体の質と見事なカットが織りなす芸術品。
満足度 4

上ハラミ(5種盛り)
タレで食べるハラミも秀逸。
タレに負けない旨みが活きている。
満足度 5

シマチョウ
鮮度抜群のプリプリのシマチョウにじっくりと火を入れ、自家製の柚子胡椒を乗せて食べる。
甘みと辛み、そして風味が見事に調和している。
満足度 4

上ミノ青唐辛子、
ピリ辛の味付けが素晴らしいが、この日のミノの歯切れは今一歩。
旨いことは旨いのだが、”しみず”の上ミノはもっと凄いことを私は知っている。
満足度 3

今日より旨い肉、今より肉にあうタレ、飽くなき探求心を持ち続ける店主がいるお店がまずいわけがない。
こんな名店だからこそ通い詰めたくなるのだ。