No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年12月9日 vitis ヴィティス


高級ステーキの代名詞である炉窯ステーキ。
ここ最近銀座を中心に炉窯ステーキのお店が増えてきたが、銀座とはほど遠い中目黒の地で今年の夏に産声を上げたのが”vitis(ヴィティス)”。
“vitis”では炉窯ステーキを身近に感じてもらうため炉窯ステーキの中ではかなり手頃な価格設定となっているが、“あら皮”の姉妹店である“哥利歐”で過去に7年半腕を磨いたオーナーシェフ・結城さんが焼き上げるステーキは“あら皮”譲りの正統派だ。
メニューはコース1本。
この日は幻のスモークサーモンに始まり、ウニやアワビ、北寄貝といった魚介系で肉欲を高めてくれる。
"あら皮"の名残を強く感じさせてくれるのはやはりスモークサーモンとコンソメスープ。
どちらもコースの不動のレギュラーでいて欲しい。


メインのステーキ。
この日は豊後牛のサーロインとのこと。
炉窯焼きらしく表面はパリッと、香ばしさを感じさせる焼き上がりで、見た目だけで胃袋が刺激される。
ナイフとフォークで切り分けた肉片を口に運べば、驚くほどあっさりした脂と肉本来の旨みが歯茎を伝って押し寄せてくる。
炉窯ならではの表面と内部のコントラストが活きる火入れ。
そして1人200gちょっとでは全く物足りなく感じる程の脂の軽さ。
500g位食べれるではなく、500g位食べたくなるステーキだ。




デザートとコーヒーを頂いた後は厨房に入れていただき炉窯を見たり、肉の話を色々させていただいたが、肉は長期肥育の雌を選び、食べやすさを求める故にあえて5番ではなく3番か4番を仕入れているとのこと。
また現在はサーロインだけだがスタッフが増えればサーロイン以外にヒレなども使って勝負したいそうだ。

なんちゃって炉窯ではなく、正統派の炉窯のステーキが比較的リーズナブルに中目黒で食べられる。
本物の肉好きで予約が取れなくなる前に早めに足を運ぶことをお勧めしたい。