No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年3月17日 銀座 吉澤


精肉店の実力は切り落としにでる。
扱っている枝肉が上等であればあるほど、そこから生み出される切り落としも極上の個体の物だ。
また、飲食店の実力はランチにもでる。
そういった意味で”銀座吉澤”のランチは凄い。
何が凄いかと言えば、とにかくその素材に尽きる。
30ヶ月から40ヶ月近いような雌の個体が、当たり前のようにランチに出てくる。
この日の薄切りステーキ御膳は田村牛と近江牛が食べ比べ。

もちろん使われる個体は日によって違うが、いつ食べても驚くような個体にしか出会わないだろう。
何故なら、そういった個体しか仕入れてないのだから。
同席者に分けてもらった牛諸味焼きは、素材が勿体無いと感じてしまう程だが、良い素材を使っているからこその味わいなのだろう。

個人的には牛肉のタタキもオーダーすることをおすすめしたい。
赤身由来の甘みのしっかりしたトウガラシを舌に乗せれば、思わず目を閉じて咀嚼という行為だけに集中したくなる。

食後の楽しみは隣接している精肉店で拘り抜いて仕入れられた肉を買って帰ることだ。
ステーキやすき焼き用のお肉もいいが、吉小間と呼ばれる切り落としは家庭の牛肉料理の概念を変えてくれるかもしれない。