No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年6月12日 カルネヤサノマンズ


神楽坂の”カルネヤ”には何度か行ったことがあったが、今年1月に西麻布にオープンした”カルネヤサノマンズ”は初めての訪問。
“カルネヤ”で腕を振るっていた高山さんは、現在こちらの”カルネヤサノマンズ”で腕を振るっているとことで、今回はお任せをオーダー。
カルパッチョ
常陸牛の内モモを使用したカルパッチョで、肉の味もさることながら、味付けが素晴らしい。

タルタル
こちらも常陸牛の内モモで。
ゴロゴロとした食感からは肉々しさが溢れ、柔らかな肉質を軟弱と言わんばかりの力がある。

ローストビーフ
交雑種の内モモは淡白で、交雑種特有の大味さが残る。

熟成牛のハンバーグ
ギュッと凝縮されたハンバーグは、しっかりと火が入れられ、噛んだ瞬間ではなく、噛み締める毎に歯茎をつたって旨みを広げてくる。
ハンバーガーのパテにしても最高に旨いだろう。

ビステッカ
ビステッカは前田牧場のホルスタインを”さの萬”でドライエイジングしたサーロインと、山形の田村牧場の短角牛を吊るして熟成したサーロインの食べ比べ。
ホルスタインは、肉の味自体は非常に弱いが、”さの萬”がドライエイジングしているだけあって見事な熟成香が鼻腔をくすぐるように抜ける。
一方、短角牛の熟成香は肉本来の味を柔らかく押し上げる程度で、肉の味がダイレクトに舌に響いてくる旨さがある。
完全に好みの世界だが、肉本来の味を求めてしまうと短角牛に傾いてしまうだろう。



カツレツ
田村牧場の吊るし短角牛でカツレツも。
これは1口噛んだ瞬間から『旨い!』って感じる。
下味の付いた衣がサクサクに揚がっているのだが、短角牛の力強い肉の味を受け止めて、全体のまとまりも完璧。
兎にも角にも、今回の短角牛の個体が素晴らしすぎる。


ミートソース
先程食べたハンバーグのように、ここまで肉々しさが前面に出ているミートソースにはなかなか出会えない。
肉好き必食のメニュー。

世の中に熟成肉というものが浸透した今、チーズの様に熟成の違いを感じ、自分の好みをしっかりと把握することが肉好きには大事になってきていると思う。
それが「何でもかんでも熟成すれば良い」という風潮を止めてくれるだろうし、高山さんのお店のような真の熟成に向き合っているお店をより一層楽しむことがつながるのではないだろうか。