No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年8月19日 よろにく


あまりお鮨を食べる機会はないのだが、最近は不思議とお鮨の職人さんとお話をさせていただく機会がある。
先日は”すし匠”の中澤さんと焼肉を食べる機会があったが、この日は上野毛にある”いちかわ”の市川さんと貴重なお話をさせていただきながら、最高の焼肉ワールドを共に体感させていただいた。
ボタン海老の黒タン包み
ボタン海老と黒タンなんて、見たことも、聞いたことも、食べたこともない組み合わせ。
ねっとりとしたボタン海老にアクセントを与える薄切りの黒タンの食感。
ボタン海老の甘みと黒タンもだとボタン海老の甘みだけが目立つが、土佐酢ジュレが混じることで黒タンが程よく主張する。
満足度 5


炙りシルクロースの握り
細かなサシを浮き上がらせるだけの最小限の炙りで、硬めのシャリとの一体感が味わえる。
満足度 4


炙りヒレ
ヒレ特有の繊維質を残し、肉の甘みを感じさせる絶妙な厚さ。
炙り加減も申し分ない。
満足度 4

ハラミのタタキ
塊で火を入れたハラミのタタキを贅沢な厚さにカットし、少しピリ辛のタレと香味野菜と共に味わうと、シンプルに焼いただけのハラミとはまた違ったどっしりと落ち着いた印象を受ける。
満足度 4


黒タン(薄切り)
究極の舌触りを追求するための片面焼きは舌の上で滑るように踊り、塩昆布が味を引き締める。
満足度 4

黒タン(厚切り)
こちらは究極の食感を追求したカット。
徹底的に削ぎ落とした黒タンは根元のど真ん中だけで、表面にはサクッと前歯が入り、内部はむっちりぷるんぷるん。
鼻腔をくすぐりながら抜けていく芳醇な香りと溢れるように広がる旨みはタンの最高峰の存在を教えてくれる。
満足度 5+


肩三角
肩三角の中でもサシは入るが、若干硬さが出やすい部分。
しかし味は間違いがない。
満足度 4

ツチノコ
サシがほぼない生粋の赤身だが、解れるような食感。
タレとの相性が素晴らしい。
満足度 4

シンシン
200g近くありそうなステーキカットのシンシンはじっくりと芯までを火を通し、表面はしっかりとメイラード反応を起こす。
断面がグラデーションではなくムラのない均一な火入れを実現すると、甘みや旨みといったこのシンシンの持つポテンシャルを全て引き出すことが出来る。
満足度 5



ハチノスお吸い物

ミノ
貝の食感で一息入れる。
満足度 4

シャトーブリアン
薄切りのシャトーブリアンは肉繊維にダメージを与えないように優しくを火を入れ、折りたたんだまま口に含む。
肉の旨みとタレの甘みがスーッと抜け、綿あめのような極上の食感が押し寄せる。
最近は焼肉屋さんでもシャトーブリアンを見かけることが増えたが、その肉質に満足できるお店は本当に少ないが、”よろにく”はそんな貴重な1軒だ。
満足度 5


シルクロース
“よろにく”の定番、シルクロース。
網に綺麗に広げて焼くよりも、あえて焼きムラが出来るように仕上げるのが好み。
満足度 5



モロコシ揚げ
ランプをモロコシで包んで揚げるという、肉メニューであえて旬を感じさせてくれる。
藻塩をつければ、モロコシの甘みが際立ち、ランプの適度な食感と肉の旨みがバランス良くおさまる。
満足度 4

出汁ミスジ
軽く炙ったミスジを特製の出汁に漬け、たっぷり絡めてから食べる。
柚子の香りもあり、また肉の味を包み込むように押し上げる出汁の旨さは秀逸。
ちなみにこの日は松茸も添えられ、香りと旨みが幾重にも重なりあう悶絶級の逸品。
満足度 5




シルクロースのすき焼き
贅沢はまだ続き、シルクロースのすき焼きにも松茸、そしてたっぷりの九条葱が投入される。
これ以上ない香りと食感の組み合わせに、サシと赤身のバランスが良いシルクロースが見事にマッチングしている。
満足度 5+






ザブトンのすき焼き
シルクロースよりも蕩ける食感が強いザブトンは、シャキシャキとした食感の空芯菜と一緒にすき焼きに。
異なる食感の組み合わせが奏でる見事なすき焼き。
満足度 5


ヒレカツ
この日食べたヒレは兵庫の太田さんのヒレだが、それがあまりにも旨く、ヒレカツにまで登場。
その厚さ故、最初は網の上である程度火を入れてから衣を身にまとう極上のヒレカツ
一口噛んだ瞬間から肉の旨みが自己主張し、衣が食感にアクセントと旨みの相乗効果で問答無用の旨さに引き上げる。
満足度 5+






サーロイン
コースの焼きは終了だが、あまりに肉が旨くて追加してもらったのがサーロイン。
短冊状のサーロインをポン酢と香味野菜と一緒にさっぱりと食べるメニューはずいぶん久しぶりだ。
満足度 4


松茸ハラミ饂飩
すき焼きの割下を使い、大振りのハラミとたっぷりの松茸が入った汁で食べるつけ饂飩。
つるつるでコシのあるある饂飩が香り豊かなつけ汁をまとうと、香りは鼻腔を抜け、饂飩とハラミの共演がボリュームのある食べ応えを実現している。
甘すぎず、ほどよい味わいで非常に旨い。
満足度 5


料理人の方にぶつける肉談義。
一流の方との会話は自分の肉への財産になる。
素晴らしい機会と最高の焼肉に感謝。