No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年9月1日 都内某焼肉店

情報化社会の現代。
地方はまだしも、東京の名店は出尽くした印象があったが、やはり東京にもまだまだ未開の地があった。
何だろう、この感じ。
武蔵小山の”和田”や湯島の”平”を知った時と似たような。。。
肉好きとしてはとにかく嬉しい出来事であることに間違いない。
紹介してくれた方からのご要望なので、今のところは店名や場所等は公表しないが、ご興味ある方がいれば案内はします。
決して新しいお店ではなく、見た目にもかなり年季の入っていることが分かる。
今回はお任せでお願いしたのだが、前菜から韓国料理色が強い多種多様なお皿が並び、どれも自家製と思われる丁寧で優しい味わい。
ちなみに量もかなりあるので、小食の方は肉に辿り着く前にかなり満腹になる可能性もある。
とにかく衝撃的だったのがタンとハラミ。
お世辞にも綺麗とは言えないような店内(ごめんなさい)に突如降臨する艶やかな生の黒タン。
それも「選びに選び抜いた」という言葉がぴったりの甘みと香りが揃った最高の物だ。
生で食べれば滑らかな肉肌が舌の上を滑り、ほんのりと甘みを押し広げていく。

薄切りを焼いて食べれば、生を遥かに凌ぐ香りが膨らみ、サクサクとした食感に、脳を揺さぶるほどの旨みが溢れる。


不揃いな部分はたっぷりのおろしニンニクをまとって串焼きにされる。
不揃いといっても、これほどの黒タンなわけで、強烈なニンニクのジャンクっぽさがあっても上品な旨さがほのかに生きている。



ハラミもまた凄まじい。
分厚いハラミのど真ん中を贅沢にカットして、半端ないニンニクと胡麻油でコーティング。
焼き始めた瞬間から周囲にニンニクの香ばしい香りがたちこめるほど。
しかしきっちりと火入れしたハラミからは、鉄分と旨みが溢れ、肉々しさが前面に出てくる。
このハラミだけでも十分このお店を訪れる価値がある。



また、薄切りにしたハラミは醤油焼きにし香ばしさも楽しめる。


とにかくこれ以上ないタンとハラミのクオリティには圧倒されるが、正肉は残念ながらタンやハラミほどのクオリティには届かない。
一般的な焼肉屋さんで食べるものに比べれば断然素晴らしいレベルだが、肉の味の薄さや脂の質の重さは正直否定できない。
だが、そんな正肉のことなど忘れてしまう程のタンとハラミだというのは間違いない。
厚切りのハラミの写真で分かる方は分かるだろうが、実はここの店主は私が通う某焼肉屋さんで働いていた経歴の持ち主。
どうりで味付けやメニューで似ているものがちょこちょこあるわけだ。

生産者からセリ、仲卸問屋さんといった流通を調べていくと、正肉でまだ見ぬ名店を見つけるのは至難の業のように感じるが、今回のように内臓であれば、まだまだ発掘されていない至宝の名店が存在する可能性は非常に高い。
そんな名店を知ってる方はぜひこっそりと教えて欲しいものだ。
タンシチュー

タン筋

モモ、ハチノス、タン

トモサンカク


サーロイン




タン筋



ナンコツ

サムギョプサル

特上カルビ

カイノミ

中落ち

野菜その他