No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年9月18日 北京


数ある料理ジャンルの中で焼肉は非常に独特な世界だ。
昔ながらの風情を残したオンボロな店内が好評だったり、愛想の悪いおばちゃんの対応が喜ばれたり、そのお店だけのローカルルールが心地良かったり、こういったホスピタリティの無さが非常に受け入れられやすい(笑)
そして、このことは今回訪れた”北京”にも見事に当てはまる。
これから初めて”北京”に行ってみようと考えている修行僧のような肉好きのために、私なりに注意点(?)をお届けしたい。
1. ニセ北京がある
今回の”北京”は平間駅近くの”北京”だが、元住吉付近の焼肉三叉路と呼ばれる場所にも”北京”という焼肉屋さんがある。
ここはここで旨い焼肉屋さんらしいが、今回目的とするお店ではない。
ちなみに”北京”には支店がいくつかあるらしい。
2. 予約はできない
という情報でしたが、何故かリザーブカードが置かれたテーブルが2つありました。
これは謎。
まあ20年来の常連さんでも予約できないと言っているので初心者は論外でしょう。
3. 全員揃ろってから入店
まあ予約できないのだからそうでしょうね。
“スタミナ苑”と一緒ですね。
4. 床がツルツル
ピカピカに磨かれているというわけではありません。
何年間も床を拭いていないかのような滑り具合です。
妊婦さんは要注意です。
ちなみに通路中央には滑り止めが敷いてあるので、そこからはみ出さないように歩きましょう。
トイレもツルツルです。
5. 袋持参
床がツルツルで荷物を置く場所はなく、煙のも半端ではないので、袋持参がベターです。
いやマストかな。
6. オーダーは1回のみ
味付けを考慮してコースっぽく出すお店だと追加オーダーできないお店はたまにありますね。
“北京”の場合は、単に店主が面倒なのと早く回転させたいだけのように見えますが、ここで文句を言ってはいけません。
ちなみに”北京”の1皿の量は非常に多いです。
私は常連さんにアテンドしてもらったので常識の範囲内でしたが、初めての場合は必ず食べ○グで予習しましょう。
7. キャベツ
基本は1人1皿。
タレを入れる小皿でグイグイ潰してドレッシングをたっぷりかけるのが作法。



8. 鉄板
鉄板がしっかりと温まるまで待っていると怒られることがある。
私のウンチクのせいで、温まるのを待っていた常連さんを含めたメンバーが怒られてしまった。
ごめんなさい。
9. 上タン塩焼
冷凍バリバリのタンがタン筋入りでドミノ倒しのように盛られてくる。
輸入物のタンっぽいが、問答無用の味付けの濃さで臭みは感じられない。
“北京”名物その1だ。

10. 上ロース塩焼
メニュー名に騙されてはいけない。
“北京”で上ロースをオーダーすると、ハラミが出てくる。
これまた凄い量で、輸入物っぽいのが削ぎ切りで、お皿からはみ出している。
いや、もっと気になるのはお皿が平然と積み重ねられている。
衛生面とかちっちゃいことを気にするお客はいらない、という店主の気概を感じます。
我々のテーブルには常連さんがいるので、何故か和牛っぽいハラミも混じりました。
噂によるとハラミじゃない本物のロース(?)が出ることもあるそうですが、これは幻の一品のようです。
ちなみにロースを頼んだのにハラミが出てきても、偽装とかそういった不純な気持ちは店主には微塵もありません。
昔から焼肉業界に存在する大雑把な部位表示です。




11. ラーメン
これも常連さんのおかげで登場しました。
煮込んだタンが山盛りです。
そろそろ帰ってくれ、という店主の合図との噂もあります。

12. 烏龍茶
缶で出される烏龍茶はグラスに注いで頂きますが、ちょっと汚れが気になる方もいるかもしれません。
でも気にしちゃダメです。
13. 味付け
全て食べ終わる頃にはオーバー摂取した化調さんに口がピリピリしますが、これもまた”北京”の醍醐味として楽しみましょう。
14. 店主の自慢話
今回は店主が忙しかったために我々は被害に遭わなかったが、山ほど重ねられたお客の名刺を見せびらかされた場合は、一同揃って「すげー」と言わねばならない。
この対応次第でその後の対応が変わる可能性あり。
15. お客の差別
常連さんとそうでないお客では、食べれる物がはっきり違います。
ですが、そんなことを気にするようなら“北京”に行っちゃいけません。
お客の差別を受け入れて、初めてスタートラインに立ったと思ってください。
ちなみに常連さん以外でも有名スポーツ選手はメチャメチャ優遇されるようです。
16. お会計
1人4000円位で満腹です。
20年前は3000円で満腹だったそうです。
これは行列が出来るのも納得。

決して万人受けするお店ではないかもしれない。
だが、こういったオンリーワンのお店を楽しむ余裕も持っていたい。
焼肉の楽しみ方は無限なのだ。