No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年11月9日 よろにく

季節の移り変わりを感じさせてくれる“よろにく”の肉料理。
10月は香り高い松茸三昧だったが、11月には初冬らしい内容へと。
焼肉の範疇を超えた肉料理の数々だが、それでも焼肉という軸はブレずに着実に太くなっている。
炙りヒレ
滑らかな舌触りに、舌の上に残る旨みの余韻。
去勢では到底辿り着けない境地。
満足度 5

ハラミの握り
漬けにされたハラミを炙った握り。
ハラミの肉々しさと味付けが絶妙。
満足度 4

白子のタン巻き
白子のコクと昆布締めにされたタンの滋味深い旨みが合わさり、それと食感の違いがアクセントになる。
鱈ではなく虎河豚だったらどうなってしまうのだろうか!?
満足度 4

タン元(薄切り)
定番の片面焼き。
舌に触れる官能的な断面は他の部位では再現できない。
満足度 4

タン元(厚切り)
素材そのもので直球勝負。
野性味すら感じさせる歯切れの良い食感と旨みは何物にも変え難い。
満足度 5

ランプの塊焼き
珍しく仕入れてみたという短角牛のランプ。
適度な熟成が想像していたよりも柔らかな食感を生み出している。
サシが少ない分赤身の味はダイレクトに伝わってくる。
旨いのは間違いないが、ついつい黒毛和牛のランプが持つジューシーさや滑らかさと比べてしまう。
満足度 4


ユーロ
肩三角をさっと炙ってかつてのユッケの雰囲気を感じながら食べる。
肉の味はもちろん、タレとの相性が最高。
満足度 5

シンシン
シンシンとは思えないほど細かなサシが入っているが、肉の味が凝縮した嬉しい誤算あり。
満足度 4

ツチノコ
肉質を研究し尽くした絶妙な厚さに味付け。
柔らかで膨らむような旨みが強烈。
満足度 5

蕪とコプチャンのお吸い物
コプチャンと蕪のマリアージュがここまで完璧だとは。
満足度 5

トウガラシ
こちらは塊焼きと同じ短角牛。
悪くないが、パサつき加減なども含めてやはり黒毛和牛と比べてしまう。
満足度 3

シャトーブリアンロッシーニ
判の小さな正真正銘の5番の雌。
そこにフォアグラと黒トリュフ。
適当な組み合わせが一切ない。
妥協のないレベルでの組み合わせ。
肝心のマッチングも素晴らしい。
満足度 5









中落ち
筋の入った中落ちはカリッと焼き上げポン酢でさっぱりと。
中落ちの甘みが秀逸で香味野菜やポン酢との相性も抜群。
満足度 4


シルクロース
"よろにく"の定番。
薄切りのサーロインを一口ご飯で食べさせるお店は山ほどあるが、"よろにく"ほど肉質が良いお店はなく、"よろにく"ほどバランスを考えてるお店に出会ったことがない。
満足度 4

ザブトンすき焼き
薄切りのザブトンは割下でしゃぶしゃぶし、そこに白トリュフをかける。
白トリュフと卵、そしてザブトンのマリアージュは奇跡の出会い。
最後は白トリュフのTKG。
満足度 5++








ヒレカツ
世の中に最近溢れているヒレカツと食べ比べてみて欲しい。
火入れによるプルプルな食感の違いを。
口の中から鼻に抜ける香りの違いを。
肉自体の旨みの違いを。
そしてヒレと衣のバランスの違いを。
全てが圧倒的に違う。
満足度 5+



ラグーソース饂飩
"なかはら"のラグーソースをベースにぶつ切りのハラミを投入し、勝手にコラボにした饂飩。
言葉を失い無言で食べてしまった。
満足度 5

白子シルク茶漬け
最高のサーロイン、上質な白子、丁寧にとった出汁。
全てが器の中で出会うと、血が沸き立つような興奮を抑えきれない。
満足度 5+



「真似」とは「真に似せる」ということ。
焼肉だけに限らず、料理の世界は真似することで進化を続けてきたのではないだろうか。
しかし真似をせずにマネをしている焼肉屋が本当に多い。
ぱっと見だけのマネ。
真に似せようとされていない。
卵を使うお店には「卵と肉、タレのバランス」を考えて欲しい。
松茸やトリュフを使うお店には「香りも何もない名前だけの松茸やトリュフではなく、肉をより旨くする為の松茸やトリュフ」か吟味して欲しい。
ウニ等の海鮮を使うお店には「牛肉に恥じない、臭みのない素材か、牛肉に合っているか」をしっかりと見つめ直して欲しい。
“よろにく”のクオリティを味わう度にこんな事を毎回思ってしまう。
No.1にはNo.1になる理由がしっかりとあるのだ。