No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年3月25日 ゆうじ


牛肉とは一切関係のない本職関係で食事があり、久しぶりに宮崎台の”美かさ”で天ぷら。
季節ごとに変わる食材の魅力を引き出す天ぷら特有の技術に触れ、牛肉の火入れへ活かす為に色々と学んできました。
油の爆ぜる音の変化に耳を傾けながら、食材の内部をイメージし、それを食べることでとにかく勉強になることばかり。
それにしても宮崎台から自宅のある千葉までは遠すぎる。
苦行の様な道中に耐え切れず渋谷で途中下車し、勉強の成果を早速試してみる。
22時半頃お店に着いたが、ちょうどカウンターが空いたところで、相変わらずに人気ぶりが凄い。
塩のホルモンとして裕師さんが出してくれたのはタンとミノ。
ツヤとハリに満ちたタンのあまりの美しさに、思わず1切れ目はそのまま食べてしまったが、噛み締める程に口の中を包み込む旨みは滋味深く、タン特有の味わいと甘みをこれでもかと教えてくれる。
炭火で火を入れれば、歯切れの良さが更に良くなり、上品な香りが鼻腔を抜ける。
1切れ1切れ食べる毎に「旨い」と呟かずにはいられない程感動的な旨さなのだが、良い素材を仕入れ、その素材のポテンシャルを最大限引き出す裕師さんの実直な仕事の結晶なのだろう。




大好きな醤油ダレのミックスホルモンはフワが別盛り。
しかしこのフワはぷりっぷりの食感で、今まで食べたことのあるフワとは全く別物。
フワがこんなに旨いということを初めて知った。
とにかく衝撃的なフワ。
フワ以外は脂付きハツ、コリコリ、ヤン、ミノサンド、食道、ギアラ、テッポウにシマチョウ。
全く隙のない最高のホルモンがお皿に詰まっている。
そしてどこか懐かしく、ホルモンの味を消さないタレの旨さは言わずもがな。



最高という言葉では表現しきれない素晴らしいホルモン。
裕師さんの手渡された牛の命を感じながら一人ホルモンを焼く時間が、これほどまでに贅沢なものだったとは。
ご馳走様でした。