No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年5月2日 都内某所BBQ


希少性と価格はある程度関連があると思うが、希少性と美味しさってどの位関連があるのだろうか。
和牛の中でも褐毛和種や短角和種、無角和種黒毛和種に比べて圧倒的に頭数は少ない。
かと言って、必ずしも黒毛和種より旨いわけではない。
今でこそ、その価値が見直されているが、かつてはあまり人気がなかった為に肥育される頭数が少なくなってしまったのが現状だろう。
では見島牛はどうだろうか。





その希少性を有難がって過大評価するつもりは全くないし、正直以前食べた時にはそれほど感動がなかった。
しかし今回食べた個体はめちゃくちゃ旨かった。
見島牛はリブロース、肩ロース、ウデの合計3kg。
リブロースが特に旨かったが、その中でも巻きの旨さは舌が忘れられない。
特にリブロースの旨さは別格。
あっさりとした脂や立体的で深みのある味わいは、去勢のそれとは到底思えない。
今まで食べたことのある去勢の中で断トツの旨さ。
ただし、この味わいの全てが見島牛の純血種ならではの血統によるものかは正直分からない。
54か月という圧倒的に長い月齢とおそらくビタミンコントロールを一切行っていないと思われる飼育方法による要素も大きいのではないだろうか。
黒毛和牛の祖と言われる見島牛。
その旨さの秘密に迫ってみたいと心から感じるほど、今回食べた個体は旨かった。
ちなみにこんなに希少性の高い見島牛を食べたのは飲食店ではなく、有志によるBBQ。
こんな貴重な見島牛を用意してくれた方、素晴らしいBBQ環境を提供してくれた方に心から感謝したい。







見島牛以外の素材も恐ろしく豪華で、生の黒タン、サガリまで登場。
横濱ビーフという初めてのブランド牛のシャトーブリアンヒレカツに。
渾身の出来栄え。
美しいサシの入った前沢牛のフィレミニオンはタレ焼きで。














(参考)Yakipedia by BMS12
○見島牛
見島牛は山口県萩市で飼育されている日本の在来種。
黒毛和種褐毛和種、短角和種、無角和種の和牛は、外国品種との交配を過去に行っているが、見島牛と口之島牛の2種は外国品種の血が一切混じっていない純血種である。
見島牛は天然記念物に指定されていて、基本的に去勢の個体のみが一定頭数食用に出荷されるが、その頭数は極めて少ない。