No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年5月9日 銀座 コバウ

私は肉のプロではない。
肉を見ただけでその肉が旨いかどうかは分からない。
肉の情報を知っただけでその肉が旨いかどうかは分からない。
私は食べなければ分からない。
だからこそ2つの要素を大事にする。
1つは生産者。
同じブランド牛でも生産者が違ければ飼料や出荷時の月齢等、何から何まで違う。
拘りを持った生産者は、経験に裏打ちされた目利きで血統を判断し、拘りの肥育方法で仕上げてくる。
もう1つは精肉店
どんなに素晴らしい生産者でもブレはある。
同じ生産者の出荷した個体の中でも最高のものだけを競り落とす業者は存在するのだ。
この2つを実践している数少ない焼肉屋の中の1つが”コバウ”だ。
この日の正肉は2頭の田村牛でカバーされていた。
炙りユッケ
甘めのタレのユッケを炙り、これまた炙ったパンに乗せて食べる。
肉の旨さが際立っている。
満足度 4


ヒレ
田村牛のヒレの薄切りを塩ダレで。
塩ダレがちょっと強いが、そんな事を全く感じさせない程ヒレの味わいが深く強い。
噛む必要がないほど柔らかくシルクの様な肉繊維にうっとりする。
満足度 5


上タン
黒タンを塩ダレで食べるのは勿体無いが、輸入っぽいタンは塩ダレで活きる。
サクサクで臭みも感じられず旨い。
満足度 4

テールチム
テールの太いところだけをじっくりと煮込んだテールチム。
ホロホロと柔らかくなった肉とスープからテールの旨みがしっかりと感じられる。
個人的に大好きなメニュー。
満足度 4

サーロイン
薄切りにされたサーロインを焼いてから和風出汁に浸けて食べる。
脂の重たさを感じさせずに、重量感のある肉の旨みを感じるのは田村牛ならでは。
満足度 4



肩三角
しっとりとした肩三角は、噛んだ瞬間からそのポテンシャルを如何なく発揮して、膨らむような旨みを教えてくれる。
上品な食感も素晴らしい。
満足度 5

ハラミ
繊細な正肉が続いたところで、荒々しさを感じさせるハラミが登場。
満足度 4

トウガラシ
生で食べたくなるようなトウガラシは赤身のコクが強い。
派手さではなく、シンプルな肉の味が秀逸。
満足度 4

ランプ
ほど良く水分が飛んだランプは旨みが見事に凝縮しているようだ。
満足度 5

和風すき焼き
肩ロース辺りを使ったすき焼きだが、甘みの強い割下で煮込むタイプ。
素材は最高なのだが、それを活かし切れてないのが勿体無い。
肉は旨いのだが。。
満足度 4


韓国風すき焼き
こちらも同じ印象。
肉は旨いのだが。。
満足度 4

久しぶりの”コバウ”だが、相変わらず仕入れる牛肉のレベルが異常に高い。
信頼関係で結ばれた仕入れ業者のと太いパイプがあればこそなのだろう。
銀座界隈の焼肉屋で最高の正肉を揃えているお店と言って過言ではない。