No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年6月20日 Cossott'e sp


今回の個体、とにかくロースが別格の旨さ。
照りのあるロースには上品なサシが入っていて、舌全体を滑らかな甘みが包み込む。
それでいて、飲み込んだ後に残るのは鼻に抜ける余韻だけで、舌の上からはすっと消えていく。
炙られたスペシャル、スペシャルのアレンジとしてキャビアにチーズ、オリーブオイルで味付けされたバージョン、そして焼きしゃぶ。
これでもかって程、サシの甘みと肉そのものの旨みを感じ取れる。



上タン、トウガラシ、サガリとロースに続く部位はどれも味わい深く。
部位それぞれのポテンシャルを存分に堪能できる。



最近は油っぽかったり、スカスカの味のヒレが増えてきているように感じるが、”コソット”のヒレは別物。
繊細な舌触りと、そこに凝縮した味わいは本物の証。





紅芋と脛肉のコロッケには伊藤さんの料理センスが溢れている。


ランプもハラミも肉の味がしっかりとしている。


サシの強めな友三角だが、甘めのタレと山椒が別妙なマリアージュを作り上げている。
すっきりとしていながらコクがある。

サーロインの羽根は友三角の様にサシの強い部位だが、こちらはバルサミコ酢を使ったタレで重たさを全く感じさせずに、ジューシーな旨みだけが残る。


普通であれば硬くてミンチにされてしまう様な外モモも驚くほど柔らかく食べやすい。
何より肉としての旨みが強い。

素材、素材を活かす独創的な技術、そしてコストパフォーマンスに至るまで、大満足としか言えない。
帰る前に次回の予約を入れるべき名店だ。