No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年7月25日 よろにく


食べれば食べるほど募る想い。
もはやこれ以上の焼肉はないのかもしれない。
純粋な焼肉とは違う。
しかし、主役はあくまでも焼肉であるという軸はブレない。
選び抜かれた素材、既存の枠組みにとらわれない自由な発想、素材の組み合わせだけで満足しないハイクオリティな肉料理。
“よろにく”があるからこそここまで牛肉を好きになれたんだと思う。
この日の正肉は滋賀の岡崎さんの純但馬血統の近江牛(個体識別番号1409309244、月齢38ヶ月、雌)が中心で、タンは純但馬牛のもの。
どちらも東京で仕入れることは非常に難しい。
ミスジの西京漬けは真鯛と一緒に巻かれ、キャビアが添えてある。
西京漬けにされているからなのか、ミスジ真鯛のマリアージュが見事。

寿司はタンの軍艦巻き、フィレミニヨンの漬けの巻き寿司、シルクロース握りという3種類。




タンは厚切りと薄切りの2種類。
薄切りは片面焼きで塩昆布と。

厚切りは、但馬牛のタン元を恐ろしく贅沢に厚くしてある。
脂の強さが全くないにもかかわらず、サクップルッとした歯切れと、余韻の長い旨みが忘れられない。


肩三角は豪快な塊で焼いて切り分ける。
シンプルに素材のポテンシャルをぶつけられ、唸るしか出来ない。



最近定番となりつつあるメニューが、ぶつ切りのローストビーフをたっぷりのトリュフと混ぜ、それをセントルザベーカリーのパンに乗せてから更に追いトリュフしたもの。
ローストビーフが旨いのはもちろんだが、圧倒的なトリュフのインパクトに酔いしれる。





タレの焼きはカメノコから。

そして腰のお肉であるツチノコ

お吸い物は普段ハチノスだが、この日はなんと松茸。
焼肉屋とは思えないレベル。

舌に触れるその感覚は、シャトーブリアンの肌理の細かさを教えてくれる。
厚切りではなく、薄切りを折りたたんで重ねることで、独特なフワフワ感が味わえる。

箸休め的なミノは素晴らしい食感。

一口ご飯と一緒に口に入れることで旨さが倍増するシルクロース。
行き着くところ、やはり焼肉には白米なのかな。

“よろにく”の串カツは究極の串カツ。
以前はシャトーブリアンの串カツを出してもらったことがあるが、この日は但馬牛のタンの串カツ。
しかも根元の部分でだ。
贅沢過ぎて原価計算が怖い(笑)
2度漬け禁止のソースがまた旨い。


ミスジは焼いた後に出汁と一緒に流し込む。
基本的にミスジは味よりも食感を楽しむ部位だと思っていたが、岡崎さんのミスジの味わいの深さには驚かされる。


この日2回目の揚げ物はヒレカツ
ローストビーフ状の断面が芸術的に均一なレアなヒレを薄い衣で軽く仕上げるのは”よろにく”発祥のスタイル。


最後はザブトンのすき焼き。
たっぷりのトリュフが問答無用の旨さ。


最後のTKGも究極のレベル。

最後の〆は肉味噌素麺。