No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年9月17日 徳山

人口に対する焼肉屋の数が日本一多い街・飯田。
精肉店ではBBQセットが借りられ、各家庭では焼肉用のタレを自作する文化があると聞く。
さすがは生活に焼肉が溶け込んだ焼肉タウンである。
ただし、かつては牛の肥育から屠畜、そして消費まで市内で完結していたのが、現在は市街で屠畜がされている。
その影響だろうか!?
初めての飯田はそこまでの焼肉密集感がなく、むしろ拍子抜けな感じ。
単に人口が少ないだけかと思ってしまうほどで、浅草とか上野の焼肉密集通りと比べてはいけないと反省。
しかし、飯田最強の焼肉屋と言われる”徳山”は噂にたがわぬ凄さ。
タレは甘口か辛口を選べるので辛口をセレクト。
座敷の奥のテーブルに座った我々のロースターにおばちゃんが牛脂を投げ込み、それがスタートの合図。
同時に野菜が運ばれてくるが、これは慌てて食べてはならない。
何故なら食べ終わるとお代わりが自動的に運ばれて来るから。
センマイ刺身
水っぽさの欠片もなく、プリプリの食感でいきなり抜群の旨さ。

豚モツ
新鮮な豚モツが柔らかくボイルされていて、焼いて食べる。

牛モツ
皮を剥いてないミノなどがボイルされているが、柔らかでジューシー。
とにかく仕事が丁寧なのが印象的。

牛タン
しっかりした生の黒タンが登場。
サクサクした食感が秀逸。

ガリ
飯田の標準なのか、“徳山”だけなのかは不明だが、ハラミとサガリをまとめてメニュー名はサガリになっている。
上質なハラミがお皿に並べられ、胡椒が効いた味付けが実に合っている。

ミノ
分厚いミノはザクザクとした食感で、最高の歯切れ。

小袋
プリンプリンの小袋に歯を立てると、ジューシーな肉汁は跳ねる。
歯応えの妙が堪らない。

テッチャン
脂は少な目で掃除が行き届いていて臭みはゼロ。
皮を噛み締めれば噛み締める程、内部から溢れ出す旨みに出会える。

レバー
牛ではなく豚のレバーかな。
それにしても、ここまで臭みのない豚レバーは初めて。

豚タン
我が郷愁の味、豚タン。
子供の頃、母親がフライパンで炒めてくれた豚タンのスライスの味が今でも忘れられない。
しかし、”徳山”の豚タンは郷愁の味を上回ってしまう。
タレが旨すぎるのだね。

カシラ
ギュッと締まった肉質だが、嫌な硬さではなく、むしろ箸が止まらなくなる。

ナンコツ
おばちゃんにオススメされた部位だが、これはおばちゃんに感謝。
コリコリの軟骨は病み付きになる。

カルビ
せっかくなのでオーダーしたカルビ。
この日はカブリの部分だったが、値段を考えても十分満足。

ロース
ロースはササミ。
色々疑問はあるが、これはこれでアリ。

ハツ
普段食べているハツとは食感や味がだいぶ違うので、これも豚かな。
しかしこれが旨いんだな。

ガリ
再びサガリをオーダー。
お代わりのサガリは、今度こそ本物のサガリ
これも間違いない。

マトン以外のメニューを全制覇したと思うが、ハズレは一切なし。
抜群の鮮度と手間を惜しまない丁寧な仕事。
入れ替わり立ち替わり訪れる常連さん。
街の日常は羨ましくなるほどの焼肉ユートピアだった。