No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年10月3日 鉄板焼 中むら 神楽坂

神楽坂にある鉄板焼きの”中むら”。
店主の中村さんは帝国ホテルの”嘉門”、”レ セゾン”で腕を磨いて独立を果たしている。
鉄板焼き、特にホテルのそれは高級なイメージがあるが、”中むら”は9,000円のコース1本で、かなりリーズナブルな価格設定だ。
ただし、基本のコースに組み込まれているのは黒毛和牛のサーロインで、これを増量、ヒレへのチェンジ、そして黒毛和牛の中でも特に高品質な宮崎の山崎牛や川岸さんの神戸ビーフにチェンジすることが出来る。
裾野を広げることで鉄板焼きの敷居を低くし、最高を求めるお客にもしっかりと応えるというスタイルだ。
以前からブログを通じて交流のあった宮崎の山崎さんや兵庫の川岸さんの肉が食べれるというのは、なんだか運命的なものを感じる。
コースに付いてくるステーキ以外の料理は、鉄板焼きの王道を外さないのだが、フレンチのテイストが随所に盛り込まれている。
ステーキはまず山崎さんのロース。
細かなサシがしっかりと入っているが、一口食べると脂のベタツキが一切なく、深みのある肉そのものの味が舌の上で広がる。




川岸さんのヒレを焼く時の油は、川岸さんのロースの脂を使うという面白さ。
鉄板だが、しっとりと焼かれたヒレは繊細で香りが目の前で広がる。
一噛みごとに感じる高揚は食べた人にしか分からない。










もちろん川岸さんのロースも食べる。
脂の質、肉の香り、そして赤身の味、そのどれもがハイレベルでただただ旨い。
やはりロースは最も差が出る。




肉好きとしてはアラカルトなどでも食べれると嬉しいが、コースで流れを演出してもらえるのはやはり有難いのかもしれない。
隠れ家のような空間で食べる最高の和牛に心躍った。