No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年10月26日 おさむちゃん

井の中の蛙大海を知らず。
まさに私の事じゃないか。
こんな凄いお店があるなんて、つい数ヵ月前までその存在すら知らなかったのだから。
西の伝説と言えば“政ちゃん”だと思っていたが、それに並ぶ“おさむちゃん”が存在した。
西の伝説の双璧だろう。
僅か3.3坪の店内はカウンター8席のみ。
雌牛のみの正肉や鮮度抜群の内臓は、目の前で塊から手際よくカットされる。
その日の朝に屠畜されたというマニアなら発狂するようなタンやハラミが当たり前のように出てくる。
素材の凄さだけでなくタレまで旨いとは非の打ちどころがない。
更にお客を楽しませる店主・修ちゃんのプレゼンも最高。
オシャレな空間以外の全てが揃った理想郷だ。
もちろんオシャレな空間など全く求めていない。。。
最後にお会計した時の値段の安さにも閉口してしまう。
これが伝説たる所以だろうか。

ここが伝説が生まれた。
僅か3.3坪の奇跡。

その日の朝屠畜した黒タンが夕方手元にあるという信じられない仕入れルートが存在している。
そんな黒タンの根元を分厚くカットし、格子状に細かく包丁を入れる。
修ちゃんが乗せた肉は触ってはいけない。
ついついお箸で触りたくなる衝動を必死に抑えて、修ちゃんのGOサインを待つしかない。





ミスジは粉雪のような細かなサシが均一に散りばめられている。
しかも去勢ではなく雌という拘りよう。
1枚目は薄切りでサッと炙るだけ。
2枚目は少し厚さを残し、肉の旨みをより味わえるように食べさせてくれる。







ハラミもその日の朝屠畜したというもの。
そして、ぷりぷりのハラミは修ちゃん特製のあっさりとしたタレと絶妙にマッチする。
呼吸が出来なくなるまで食べ続けたいハラミだ。





ホルモンに関しても修ちゃんは惜しげもなく素材を見せてくれる。
シマチョウ、ツラミ、タン筋、ウルテのどれもが艶と輝きを持っていて、鮮度の良さは一目瞭然だ。






まだ“政ちゃん”ほどではないにせよ、既に予約を取るのは困難な状況。
次回は貸切の予約を取ることが出来たが、半年以上先になってしまった。。。