No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年11月11日 ビーフステーキの店 ひよこ


トラックも通る大きな道路に面して小さな小さなお店が1軒立っている。
看板には『ビーフステーキの店』と書かれているが、昔ながらのビフテキを彷彿させる郷愁の味を楽しめる。
予約時間に店内に入り店主と挨拶を交わすが、我々の顔を見た瞬間から店主の手はすでに料理の準備を始めている。
野菜を鉄板に乗せ、次にサラダ油でマリネしてあるヒレのど真ん中・シャトーブリアンも鉄板に乗せる。
手元にメニュー表は見当たらないのだが、よーく目をこらしてみると、壁に小さく『ヒレステーキ』と書かれている。
これがメニューらしい。

選択の余地は一切なく、値段も書いていない。
しかしこれがメニューとのこと。
そんな話で笑っていると、店主は目の前に焼き上がったヒレステーキをもう出してくれる。
断面はレアだが、しっかりと中心まで熱が届いている。
適当にやっているようで、熟練の火入れが行われていたのだ。
そしてヒレステーキは本当に柔らかい。
サシが蕩けるような食感ではなく、シルクの様な肉の繊維が1本1本ほどけていくようで、どこか儚さを感じてしまうほど。
サラダ油でマリネした効果は柔らかさだけでなく、ステーキの味に深みを与えているようにも感じる。
また、たっぷりと注がれたステーキソースも秀逸な旨さで、ステーキを食べ終わった後に飲み干してしまいそうになる。








最後に店主とあれこれ肉談義も楽しみお会計を済ませる。
ここまで、入店から僅か20分の出来事。。。
まさに“ひよこ”のステーキは和牛業界のFast Foodである。
とにかく早い。
そして仕事が丁寧でありながら早い。
何より抜群に旨いのだ。
ちなみに和牛業界のFast Foodはもう1つある。
それは川崎の”好楽園”。
こちらも入店から30分もすればお店を出てしまっている。
そして旨い。