No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年6月29日 焼肉 しみず

東急目黒線不動前駅
目黒駅の隣駅ながら、不思議なくらいマイナーな駅である。
だが、この不動前に真の焼肉好きを虜にして話さない至高の焼肉屋が存在する。
焼肉と言えば、誰もが食べたがるタン。
まずこのタンが圧倒的な存在感を出している。
“しみず”オープン以前から店主・清水さんのお母さんを通じて何十年も取引のある芝浦の老舗内臓業者へ、自ら毎日足を運び、信頼関係を築き上げて仕入れるタンは明らかに都内随一の品質。
生の黒タンを仕入れられる焼肉屋を探すことも難しい中で、黒タンの中のピンのピンを”しみず”が仕入れる。
何人もの焼肉屋さんから「あんなタンは仕入れられない。しかも安すぎる。」という話を聞いたことさえある。
そんな最高のタンは臭みなど皆無で、レアでは口の中で甘みが広がり、火を入れれば芳醇な香りと爆発力のある旨みが溢れ出す。
一般的な薄切りでも十分そのクオリティを楽しめるが、贅沢な厚切りタンは他店を圧倒する厚さ。
更に清水さんに焼きスキルを認めてもらえれば、特厚タンに巡り合えることもある。
厚切りタンの倍の厚みのあるタンの火入れは難易度が高いが、中心までしっかりと熱を届けられれば、今まで経験したことのないようなサクリとした食感に噛むほどに溢れる上品な旨みが全身を襲う。







焼肉好きな方であれば分かるだろうが、タンが凄いという事はもちろんサガリやハラミも凄い。
ぷりぷりとした食感のサガリは、上質な鮪の赤身に遜色ない深い味わい。
ハラミは厚切りでしっかり火を入れることで、肉々しい食感が増し、噛み切られた肉繊維からジュースの様な濃密な肉汁が噴き出す。



内臓だけでなく、正肉に関しても"しみず"は都内随一の仕入れに拘る。
田村牛や川岸牧場の但馬牛・神戸ビーフを中心に仕入れているが、この日は川岸さんの神戸ビーフ
本物の和牛の味わいは脂だけでなく、赤身から溢れる肉そのものの旨みでることがよく分かる。







内臓はどれもオススメだが、中でもシマチョウとミノ、テールはオーダー必須。



〆はホルモンチゲ。
クタクタに煮込まれたホルモンではなく、プルプルのホルモンの甘みは格別で、焼きおにぎりと一緒に食べれば至福が訪れる。

これだけ食べても信じられないほど安いのは、場所だけでなく、家族一丸となってお店を切り盛りしているからだろう。
今、東京で最もオススメな焼肉屋をぜひ知って欲しい。