No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年6月30日 神戸牛炉釜炭焼ステーキ IDEA 銀座


ここ数年全国で急激に増えている炉窯ステーキ。
最高の肉質のポテンシャルを最大限引き出すには、これ以上のスタイルはないだろう。
神戸の”あら皮”が作り上げたこのスタイルを目指すお店はこれからも増え続けるだろう。
東京に目を向ければ、10年前に比べて炉窯ステーキのお店の数は比べ物にならない。
また、既存のお店にも変化があった。
牛肉の価格高騰の余波だろうか、かつては勢戸さんの三田牛を好んで仕入れていた新橋田村町の”あら皮”も、最近はずいぶんと仕入れる牛肉が変わってしまったように見える。
そんな中で頑なに純但馬血統の神戸ビーフや三田牛を仕入れる続けるお店もある。
しかも、単に神戸ビーフや三田牛であれば何でも良いというわけでなく、その時々の肉質や脂質、そして生産者などから厳選された東京で最高の和牛が”イデア”に集う。

炉窯ステーキと言っても、前菜は牛肉以外も豊富で、驚くほどどれも素晴らしい。


お肉の前菜は言うまでもなく美味。
ヒレの炙りフォアグラと一緒に盛り付けられ、ヒレの上品な甘みとフォアグラのコクが絶妙。

焼肉屋で食べることの出来るタンとは別次元の火入れも炉窯ならでは。
"イデア"に行ったのであれば、特選黒毛和牛タンの厚切りステーキは外せない。
表面だけがカリッと焼かれ、中は熱いにもかかわらずぷるんぷるんのゼリーのような食感が味わえる。
奥歯で噛み締めれば、圧倒的な旨みが溢れ出す。




黒タンの添えられていたのはシマチョウの炉窯焼き。
そこにトリュフがかけられている。
シマチョウの甘みと歯切れの良い皮面が素晴らしい。
シマチョウを炉窯で焼くという発想にも驚かされる。


サラダを挟んでいよいよメインのステーキに突入する。

分厚いシャトーブリアンは川岸さんの神戸ビーフ
肉繊維の1本1本に凝縮したエキスが詰まっているかのような味わいで、食感はこれ以上ない繊細さ。





サーロインは川岸さんの神戸ビーフと勢戸さんの神戸ビーフの食べ比べ。
ここまで豪華な食べ比べが出来るのは、東京では"イデア"でしかあり得ないだろう。
どちらも純但馬血統の神戸ビーフでありながら、切り分けた瞬間に立ち昇る香り、味の深み、旨みの濃さ、滑らかさ、それら全てが違っている。
どちらも甲乙つけ難いハイレベルな食べ比べ。



(川岸さんの神戸ビーフ




(勢戸さんの神戸ビーフ




〆のデザートで食べられる牛乳アイスも絶品。

東京で一番旨い牛肉がどこで食べれるのか、と聞かれた時に迷わずオススメ出来るお店がここにある。