No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年9月25日 肉割烹 上



今月2度目の”上”は田村牛の田村さんと吉澤畜産の吉澤さんと一緒に。
素材のポテンシャルを引き出すという事に関して、日本料理という世界は優れた技術を持っている。
しかしながら、和牛という素材に関しては、引き出し切れているお店はどれだけあるのだろうか。
私の浅い経験では”三芳”以外にはまだまだ見当たらない。
しかし、東京にも”肉割烹 上”という、今までの東京の肉割烹シーンを一蹴するようなお店が登場した。
扱う牛肉は田村牛や川岸牧場の神戸ビーフといった最高峰のみ。
サーロインであっても口の中でべとつかない脂の質や赤身の味の濃さをしっかりと楽しむことが出来る。
肉割烹というと最高峰である”三芳”と比べられてしまうが、現時点のコースではまだ”三芳”を追いかけている状態であるのは間違いない。
しかしながら、コースの値段が1万円台という驚異的なCPの良さには驚かされる。
あとはコースの内容をどの位変えることが出来るのか、が肝になるだろう。
そこに期待して通い詰めたい。

牛肉と鼈のコンソメ
この組み合わせは間違いない。

小丼
カメノコ、白エビ、雲丹、キャビアをスプーン掻き混ぜてから。
それぞれの素材の旨みがケンカすることなく手を繋いで舌の上で踊り出す。

石川芋と鮑の牛コンソメジュレかけ
普段鮑を食べるような生活をしていないので、鮑のクオリティは分からないが、個人的には凄く好きなメニューです。

カイノミ漬けとサーロインの刺身
軽く漬けにされたカイノミはぷりぷりで、甘みも引き立てられている。
サーロインは上品な甘みと舌を包み込むような旨みが強い。




サーロイン握り
ご飯にお肉を乗せただけのナンチャッテ握りとは違って、ちゃんと握ってある。
もちろん、本物の鮨職人には及ばないまでも、ここまでクオリティの高いお肉の握りはない。
お代わりしたくて仕方ない。

ウワミスジのタタキ
味が濃い極上のウワミスジ

銀杏の牛脂揚げ

タルタル
内モモのタルタルにエメンダールチーズとカラスミがかけられている。
濃厚な旨みの協演。

天然の舞茸、本シメジ、牛肉の出汁
旨みの強い食材がケンカせずに絡み合っている。

ヒレの唐揚げ
“上”のスペシャリテと言える唐揚げ。
あえてヒレカツではなく、味の強いヒレの唐揚げというところが良い。


トロたく巻き
安定の旨さ。
肉の量のバランスが進化している。

しゃぶしゃぶ
サーロインの旨みがぐっと詰まったしゃぶしゃぶで、一般的なしゃぶしゃぶとは別物かもしれない。

ステーキ
目の前の炉でじっくりと焼かれたヒレとサーロイン。
ヒレは肌理が細かく上品な旨みが広がる。
サーロインはサシの甘みはもちろん、それすらかすむ様な強烈な旨み。





おかか巻き
まだ食べたい、と伝えたところ試作のクリを使ったおかか巻きを出してくれた。
これはまだまだ改良が必要かな(笑)

〆はクオリティが高いラーメン。
大満足なり。