No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年4月30日 焼肉屋さんのしみず

隠岐牛をご存知だろうか。
島根半島の北東約50kmに浮かぶ隠岐島
この隠岐島で生まれ育った4等級以上の未経産の雌牛に与えられる称号だ。
島根県は第7糸桜に代表されるように子牛の生産地として有名で、全国の肥育農家さんが子牛を買いにやってくる。
もちろん隠岐島にも子牛で生計を立てる繁殖農家さんがいるのだが、近年この隠岐島の優秀な子牛を隠岐島で肥育し隠岐牛というブランドが確立された。
子牛生産に適した土地で、海のミネラルを含んだ牧草を与えたり島内で放牧して足腰が強く健康に育てられるのが隠岐牛の特徴のようだ。
レバパテ
この日のお通しは煮込みではなくレバパテ。
良い意味でレバ特有の香りが感じられ、あと引く旨さ。
満足度 4


厚切り上タン
とにかく分厚いタン元。
"炭焼喰人"のタンに迫る脅威の分厚さ。
驚くのはその見た目だけではなく、分厚さを忘れ心地良さすら感じる歯切れもだ。
ムッチリぷるぷるでどこまでも滑らかな舌触り、そして香ばしく芳醇な香りも兼ね備えている。
もちろん(?)タンは隠岐牛じゃないです。。
満足度 5



厚切り上ハラミ
肉がまだ生きていると感じるほどぷりぷりのハラミ。
想定を超える量の肉汁が溢れ出し、それを生姜が引き締め最高の味わいに引き立てる。
"しみず"は今東京で最も旨いハラミが食べれるお店の一つではないだろうか。
満足度 5

これを頼まないのであれば、何をしに"しみず"に来ているのか聞きたくなるほどのオススメが5種盛り。
信じられないほど旨い上に信じられないほど安い。

トウガラシ(5種盛り)
隠岐牛の5種盛りはトウガラシから攻める。
しっとりとした食感と上品な香りに包まれる。
肉の味の輪郭がはっきりとしていて旨い。
満足度 4

クリ(5種盛り)
上質なマグロの赤身を食べているような舌触りで、トウガラシの1枚上をいく旨さ。
コクと風味も兼ね備えた最上級品。
満足度 5

肩ロース(5種盛り)
口当たりが繊細で滑らか、舌の上で広がる甘みは特筆すべきレベル。
"七厘"のサーロインにも言えるのだが、こういったロース芯の旨さを引き出す絶妙なカットと肉そのものの質には脱帽するしかない。
満足度 4

ザブトン(5種盛り)
サシの割にあっさりとしていて、ちょっと淡白な味わい。
満足度 4

サンカク(5種盛り)
サシのインパクトはあるのだが、逆にサシの印象が強すぎる。
満足度 3

まだまだ止まらない。
止まれない。
今度は3種盛り。

ウワミスジ
厚さはあっても硬さがないので、食感と肉汁をふんだんに楽しめる。
ほのかな赤身由来の甘みが余韻として残り心地良い。
満足度 4

ミスジ
細かなサシが散りばめられた貴婦人のようなミスジ
ふんわりとした食感と共に肉本来の味を楽しむ。
満足度 4

エンピツ
同じ肩ロースの中でも芯とも巻きともカブリとも違う弾力のある肉質で、すっきりとした旨さがある。
満足度 4


個体がいい。
それ故どの部位も旨いが、今回の個体に限った印象ではトウガラシやクリといった赤身の強い部位の旨さが際立つ。
肉本来の味が濃厚なのが特徴なのだろうか。
こういったブランドとして特徴を持つところがこれからのブランド牛をリードしていくのではないだろうか。