No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年1月24日 人形町今半 喜扇亭

明治5年1月24日、明治天皇は宮中にて中古以来1200年間禁止されていた牛肉を召し上がりになった。
それを記念して、1月24日は"牛肉記念日"とされている。
そんな素敵な記念日に粋な企画をしてくれるのが、人形町今半である。
この日は何と普段の特上クラスが食べ放題なのだ。
当然、肉好きの血が黙っているはずもなく、昨年に続いての訪問となった。
昨年はすき焼きと楽しんだが、今年は鉄板焼きでステーキを満喫。
しかも、ステーキはサーロインでもヒレでもどちらでも好きなだけ選べる。
今回今半に挑んだ我々は、値段と食べれる量からサーロインよりもヒレを中心に注文していった。
脂が多くロースに近い端から、中心部分のシャトーブリアン、そして赤身の強いもう片側端まで、色々な部位を楽しめる。
個人的にはシャトーブリアンのような中心部分が赤身とサシのバランスがよく好みであるが、脂の旨みも強い部分もかなり旨い。
こういったヒレの食べ比べは初めての経験だが、そうそうできることはないだろう。

サーロインはしっかりとサシが入っていて、甘みのある脂が口の中で蕩ける。
しかし、食べ放題で食べるにはちょっときついか。

それにしても食べ放題にもかかわらず、これほどの肉質なのが驚きだが、更に脂や筋を全て切り落としてしまうのにも驚いた。
ヒレなら本体(?)とヒレミミの間の脂、サーロインなら脂の塊。
全てカットして捨ててしまうのだ。
もったいなくて、家に持ち帰って、チャーハンにしたいくらいだ。
これも老舗の心意気であろうか。
鉄板焼きというジャンルで考えると、焼き手のレベル、味付けなどはうかい亭などには及ばないであろう、という印象はあるが、それでも十二分に満足してお箸を置いた。
最終的にはヒレを中心に私一人では約650gを食べただろうか。
もう少し胃袋には入りそうだが、そこまでしてはお肉を楽しめなくなってしまうだろう。
ちなみに帰りには、近くの柳屋で鯛焼を買って帰り、自宅ですぐに二つほど食べてしまった。
デザートは別腹とはよく言ったものだが、今半でもヒレやサーロインだけではなく、ミスジやトモサンカクをデザートとして置いてくれないだろうか。