No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年4月28日 よろにく

焼肉行脚の中で、非常に難しいの問題の一つが、私でいうところの黒帯店訪問と新規店開拓の割合である。
焼肉修行僧であれば誰でも悩んだ事があるはずだ。
気に入ったお店には何度も通いたい、しかし、新規店開拓も必要であることは間違いない。
ここで更にもう一つ問題が発生する。
私も気に入ったお店には足繁く通ってしまうのであるが、通い過ぎたために、感動が薄れ、訪問頻度が極端に落ちたお店もある。
金竜山はその典型であろう。
その為、今では年に3回か4回で十分な気になっている。
(昨年はバーベキューの為にお肉とモミダレ、つけダレまで用意してもらったが。)
しかし、世の中には本当にすごいお店があるのだ。
以前の金竜山以上の頻度で訪問しているにもかかわらず、全く感動が薄れることがないのだ。
それどころか、益々のめり込んでいく気がする。
黒帯の中の黒帯である"よろにく"がそのお店だ。
毎回新しい発見・驚きに遭遇するのだ。
最初に言ってしまうが、今回はタンに尽きる。
タンがすご過ぎた。
こんなタンは二度と食べれないかもしれない。
(VANNEさんも二度は出せないかも、と言っていた。)
驚愕の体験を以下につづる。
まずは刺身系で、ザブトンの握り、ユッケビビンパの海苔巻き、ハツのたたき、そしてタン刺し。
綺麗なピンク色のタン刺しは、上等なタン元を使っているのがよく分かる。
一切れ食べて驚愕。
生のタンとは思えないほどの甘さとコクがある。
これは目隠しして食べたら、タンとは分からないかも。
このタン刺しで、焼きのタンの期待が一気に高まった。

シャトーブリアンを食べ終えたところで登場したのがタンの盛り合わせ。
盛り合わせの中身はタン元、タン先、タン筋。

ネギ塩で味付けされたタン筋は噛み締める毎に旨みが滲みでてくる。
普段はあまり食べない部位だが、独特の旨みが癖になりそう。

タン先はほとんど食べた事のない部位だ。
あまり動かなくて柔らかいタン元の対極で、かなり硬めの肉質を想像していたが、隠し包丁のおかげもありサクサクと程よい歯ごたえ。
タン先でこれほど旨みがあるのには正直驚いた。

間違いなく本日No1だったのがタン元。
この贅沢なカットは焼き生活の中でも初体験。
全神経を焼き網の上のタン元に集中させた甲斐もあって絶妙に焼きあがったタン元に全員が身震いした。
サクサクとした心地よい歯ごたえと、溢れる肉汁は何度か体験している極上のタン元のそれと同様だが、大判故に口の中に贅沢に放り込まれた肉片からは幸福を感じる。
この大判だからこその怒涛の旨み、極上タン元を頬張る贅沢、なんとなく新たなタンの旨さを知った気がした。



その後も極上正肉に舌鼓を打ったが、特にササはかつてないほどの極上品で素晴らしいジューシーさだった。

それにしても今回はタンの感動に尽きる。