No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年12月28日 静龍苑

最近はおしゃれな雰囲気の焼肉屋さんが増えたが、下町のノスタルジックな雰囲気の焼肉屋さんはやはり良いものだ。
この雰囲気とミスマッチな極上のお肉が食べられるお店は非常に少ないが、ここ静龍苑はその希少なお店の中の一つだろう。
レバ刺しが品切れのために頼んだのはセンマイ刺し。
若干水っぽいが悪くはない。
肉刺しは綺麗なサシが入った巻きが登場。
これは甘みが強く非常に旨い。
更に、網で数秒炙って脂を温めると、甘みが倍増して最高の旨さ。
これほどの牛刺しを食べれる焼肉屋さんは、ほとんどないのではないか!?

中タン塩は、若干強めの塩味に負けないタンの旨みがあり驚かされる。
薄切りにもかかわらず、サクサクとした食感も素晴らしく注文必須の一品である。

静龍苑のタンで最高級なのはタン塩で、"上"といった冠は付いていない。
カット、味付けは先ほどの中タンと同じだが、より根元の部分を使用しており、霜のふった綺麗なピンク色である。
ぷるんとした滑らかな食感で、肉汁も旨い。
ただし、素晴らしい柔らかさで薄切りの為、和牛タンのサクサクとした食感が味わいにくく、根元の極上な部位なので、もう少し厚切りで食べれば更に旨かっただろう。
この年末年始でここまで良いタンを揃えている実力に驚かされ、普段はもっと素晴らしいタンに出会えるのかもしれないと考えると、恐ろしさすら感じる。

ハラミ塩はサガリが出てきたが、普通に旨い。
上ミノ塩は食べやすいカットで、これまた普通に旨いかなぁ。

ハラミタレは塩と同じサガリ部分。
どっちかと言うと、タレの方が合ってる気がする。

上ロースは、牛刺しと同じ極上の巻きを使用しており、牛刺しよりも若干厚め。
香りも良いMeatで、甘みが強いサシが全くしつこくなく、何枚でも食べれてしまう。
タンも良かったが、今回のNo.1は間違いなくこの上ロースだろう。

上カルビが品切れだった為にピンチヒッターをお願いしたカルビ。
極上の巻きの後に並のカルビはちょっと失敗かな、とも思ったが、出てきたカルビは旨そうなバラである。
これは旨みがちょっと貧弱だが、なかなかといった印象。
並でこのレベルだと、上が非常に気になってしまう。

全体的にお店の雰囲気から想像する値段よりも若干高めだが、一皿の分量がしっかりしているので、実はそれほど高くない。
というか肉質を考えるとかなりCPは良いだろう。
最近行っていない"肉のたじま"への『はしご』を軽く提案したが、賛同者がいなかった為に寂しく地下鉄に向かった。