No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年2月16日 仙珠

私が知らないだけかもしれないが、京王線に焼肉の名店は少ないような気がする。
かつてあった“呵呵大笑”や”まりたん”は既に閉店してしまっている。
しかし、そんな京王線に“くにもと”の血筋を引く”仙珠”が存在するのだ。
仙珠ユッケはシンシンを使ったユッケ。
ユッケと言っても、”くにもと”と同じ平ユッケタイプである。
この仙珠ユッケが恐ろしく旨い。
添えられたワカメと合うかどうかは別にして(笑)、味付けが旨い上に、とにかくシンシンが濃厚な旨みを持っている。
いつもシンシンを使っているのかは不明だが、これは注文必死のメニューであろう。

レバ刺しは若干筋が残るタイプだが、これはこれで心地よい噛み応えで、甘みもあって旨い。

盛合せは『別格盛』を頼んだが、タン元、カイノミ、上ハラミ、サーロイン、友三角、リブ芯、ショートプレートの見事なラインナップ。

タン元は、生の黒タンであることを想像させるに十分な食感と旨み。
レアで食べても、しっかり焼いて食べても旨い。

カイノミは、カルビ(バラ)らしいジューシーな旨みがある。
脂の甘みも濃厚である。

上ハラミはサガリであった。
ガリ独特の肉繊維の食感が心地よく、溢れる肉汁も旨い。

サーロインは見た目のサシほどしつこさがなく食べやすいが、塩で食べると旨みが若干弱い気がする。
ただし、これをツケダレにつけると一変。
これは非常に旨い。

友三角は赤身とサシのバランスが素晴らしく、モモとは思えない蕩け具合な上に、旨みの強さも兼ね備えている。
こんな旨い友三角は久しぶりに食べた。

リブ芯はリブロースの中でもサーロイン寄りの部分であろう。
これが衝撃的な旨さ。
Meatが恐ろしく旨いのだが、タレとの相性も良い為、更に旨さが増す感じだ。
今回のNo1は間違いなくこのリブ芯で決定だろう。


ショートプレートはサシの細かさも見事だ。
口の中でサシが溶け、肉繊維が解けてゆく感じは『King of カルビ』と呼ぶに相応しく、濃厚な旨さにご飯が欲しくなる。


1周年記念のサービスであるサーロインは盛合せに入っていたので、代わりにサービスしてもらったのが本バラ。
強火で一気に焼き上げるが、脂が若干口の中に残り、旨みが脂に負けてしまっている。

最後はシャトーブリアン
旨みは”よろにく”や”傳々”に及ばないが、それでも都内トップレベルの旨さ。
上品な肉繊維の柔らかさは食べた人しか分からないだろう。

前回訪問時は、肉質や味付けには大満足であったが、カットのレベルが伴っていない印象を受けたが、今回はしっかりとしたカットで、非常にMeatの旨さを堪能しやすいものであった。
こういったレベルアップは非常に嬉しいことである。
肉質、カット、味付けの3拍子が揃ったわけだが、”仙珠”の素晴らしさは値段にもある。
“くにもと”は非常に旨くて好きなお店なのだが、値段の高さが気になるところだろう。
外税にされている消費税やサービス料で、精算時には思いのほか高く感じる人もいるだろう。
“仙珠”は”くにもと”の血筋を引いているが、消費税は内税でサービス料もかからない。
お客の立場からはなんともありがたいお店である。
千葉に住んでいる私の帰り道は厳しいさがあるが、何度も通いたくなる名店である。
(参考)Yakipedia by BMS12
○サービス料
サービス料とは飲食店などでチップの代わりに対価を上乗せされる金銭である。
ただし、焼肉屋さんでのサービス料とはいったいどんなサービスに対する対価なのであろうか。
網交換や部位の説明くらいしか思いつかないが、サービス料と実際のサービスに乖離があるお店が多いと感じる人は多いのではないだろうか。
焼肉屋さんでサービス料を設定している場合、一般的なのは5%であろうが、10%のお店もあれば、サービス料が上乗せされないお店も多い。