No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年3月5日 ビッグママ

焼肉激戦区と言われる中目黒だが、中堅のお店が多いだけでトップレベルのお店はない、というのが正直な私の感想だ。
新規焼肉店が増えている中目黒で比較的古株になってきたビッグママを訪問。
オススメの魚を断り、お肉ガッツリでおまかせを組んでもらう。
レバ刺しはプルッとした舌触りが心地良く、甘みもしっかりあるが、僅かに臭みが口に残る。
とは言え、僅かな臭みを凌駕する旨さである。

刺身盛合せはタン刺し、ハラミ刺し、そしてミノ刺し。
タン刺しは滑らかな舌触りが印象的でほど良い食感。
“よろにく”のタン刺しとはレベルが違うが、それでも十分旨いと言えるだろう。

ハラミ刺しは、私のハラミ経験値にはない味わい。
肉繊維の噛み応えがあまりない上に、非常に甘みのあるサシがじんわりと舌で蕩けるのだ。
こんなに甘みのあるハラミは初めて。

ミノ刺しは肉厚なミノが登場したが、歯切れが悪くこれは平凡な印象。
このカットであれば、火を通した方が旨そうだ。

七輪が運ばれてきて焼き物に移る。
タンは火を入れることによって、サクサクとした食感と旨みがより強くなった。
綺麗に掃除はされていないが、それを感じさせない食感の良さである。

ハラミは惚れ惚れするほど見事な上物。
ハラミ刺しと違って甘みは強くないが、弾力のある肉繊維から旨みの強い肉汁がどんどん溢れてくる。

究極のカルビは味噌ダレっぽいモミダレだが、お肉の甘みを邪魔することもなく意外にあっている。
お肉自体もガツンとくる旨さ。
この味噌ダレで焼きおにぎりが食べたら旨いだろうなぁ。

ミノはやはり火をしっかり通すとサクサク感は増すが、歯切れの悪さが僅かに残る。
テッチャンはまあ普通かな。

定番のおまかせが終了したところで、お願いして出してもらったのがサーロイン。
粗いサシの入ったサーロインで、私好みの繊細さが感じられない。
サーロインらしい旨みは薄く、脂のしつこさばかりが気になる。
正直、近所のスーパーで買ってきたようなお肉である。

最後はテールの付け根のお肉。
噛み締めると旨みが滲み出てくる。
タレとのマッチングもなかなか。

通常のおまかせはかなり満足度が高く、一人でも食べやすい雰囲気が嬉しい限りだが、最後のサーロインはなんともいただけない。
肉質を考えると、市場価格の3倍程度の値付けといった印象だ。
定番のお任せが素晴らしいだけに非常に残念。
しかし、何度も挑みたくなる良さがこのお店にはあるなぁ。