No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年5月30日 鎌倉山 銀座店


焼肉は数ある肉料理の中でも特別な食べ物だと思う。
最も大事な火入れを自ら行うのだから。
当然同じお肉でも、焼き手によって、全く違った仕上がりになる事は容易に察しがつくだろう。
我々肉好きは、お店が出してくれた最高のお肉を、自分好みの最高の状態で食べる為に、昼夜を問わず『焼き』について研究を重ねているのだ。
理想の『焼き』について考えた時にぶち当たる壁がある。
それがローストビーフの『焼き』だ。
完全に肉汁を閉じこめ、旨みを凝縮させるという点において、これ以上のものがあるのだろうか。
そんな事を考えてしまうと、居ても立っても居られない。
やはりローストビーフを食べるなら"鎌倉山"。
数年ぶりの訪問だが、硬くてパサパサしたローストビーフしか食べた事のなかった私に、本当に旨いローストビーフの味を初めて教えてくれたお店である。
今回はヒレのローストビーフも食べてみたかったが、2人分以上の注文が必要なため断念し、いつも通り特選ロースのローストビーフを食べる。
塊のまま焼き上げられ、運ばれてきたサーロインに一気にテンションが上がる。
目の前で見事な手つきでカットされたサーロインは美しい。
生と見違うほど綺麗なピンク色の中心部は、トロンとした滑らかな舌触りで、肉繊維を噛み締めると肉汁を十分に蓄えていることに気付く。
また、十分に火入れのされた端っこの部分も、パサつきはなく、しっかりとした旨みが感じられる。


なるほど、やはりローストビーフは旨い。
しかも色々と勉強にもなった。
今年のBBQはかなりすごいことをやりたくなったので、参加者を集めなくては・・・。