No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年3月5日 祥瑞

じっくりと熟成させた赤身肉をたっぷりのひまわり油で焼き上げるステーキが有名で、料理雑誌でのお肉の焼き方特集で何度か紹介されたりしている。
赤身のサーロインがお目当てだったのだが、当日は十勝赤牛のサーロインステーキが売り切れで、米沢牛のサーロインステーキか、十勝赤牛のランプステーキのどちらかしかなかったのが残念。
黒毛和牛を食べるならもっと他にもお店があるので、十勝赤牛のランプステーキをセレクトした。
そして、お肉が焼きあがるまでは、岩中豚のパテで、なんとか空腹に耐えるのだ。
この岩中豚のパテの仕上がりは、これから運ばれてくるステーキへの期待を高めるのに十分なものだ。
30分ほどで運ばれてきた十勝赤牛のランプステーキは、表面が焦げに近いような焼き上がりというか揚げ具合かな。

一気に切り分けると、見事な焼き上がりで、中心まで火は入っているのが分かる。
しっかりとかけられた塩で焦げの苦味はあまりしない。
そして、表面は水分が完全に飛ばされていて、クリスピーな食感で、それが中のジューシーさんをより一層際立たせている。
その肉汁は熟成された風味があり、さっぱりとした赤身はいくらでも食べれそうだ。

やはり保存状態の良いお肉は旨い。
きっとこれは、ほとんどの品種の牛にも当てはまるのだろう。
ただ、本当に旨い黒毛和牛を食べ慣れていると、ふわっと広がる脂の香りがなかったなり、若干物足りなさを感じるのは仕方ないだろう。
また、赤身の強い品種は、熟成させることによって、そのポテンシャルを開花させる面もあるだろうが、熟成させることによって熟成特有の風味に頼った、そして品種や部位の特徴が感じ難い似通った印象になりやすいように現時点では感じる。
これらは今後も食べ続けることによって、その真実に迫ってみたい。