No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年3月7日 ゆうじ


今回、最近よくお世話になっている焼肉マニアであり、"ゆうじ"の超常連さんでもある方と一緒に"ゆうじ"ワールドに突入。
そこには、焼肉・ホルモン焼きを超越した新世界が待っていた。
まず定番のモツ煮からだが、優しいほんわかとした甘みが口の中で広がる。
このモツ煮で身体と気持ちを温めて、これから始まる"ゆうじ"ワールドに備えるのだ。

刺身盛合せは、臭みを全く感じせずにサクサクとした食感が心地良いハツ、トロンっとした食感で舌の上で甘みが広がるレバ、シャキシャキの食感で瑞々しさのあるセンマイ、そして今回特に甘みの強かったツラミで構成されていて、どれもこれも一騎当千の実力者と言える。

じっくりと味が染み込んでいるハラミ筋おでんは、ホロホロと口の中で崩れ、ほっこりとした旨さ。
これは何本でも食べたくなる。

いよいよ焼きに入るのだが、運ばれてきた極厚のタン元とハラミを見て、そのすごさに思わず身体が固まる。
タン元は火を入れると、表面がギュッと締まるので、表面の熱を逃がしながら、じっくりと中まで火を入れていく。
これ程の厚みがあるにもかかわらず、何とも歯切れの良い噛み応え、そして奥歯で肉片を押しつぶす毎に広がる肉汁は濃厚なスープのようだ。



ハラミは一番肉厚な部分ではないが、それでも十分な厚さで、強めのニンニクと葱、塩で味付けがされている。
筋っぽさを感じる食感だが、強めの味付けがハラミの肉汁と相まって、バランスを取ってくれる。

続いて運ばれてきた焼きのお皿は、絶妙な塩加減でプリプリの食感と筋の甘みが際立っているテール、そして、しっかりした歯応えの中に自己主張のある旨みを閉じこめたハバキ。
焼肉屋さんでは主役になり難い部位でありながら、ここまで完成度の高い位置まで持っていくゆうじさんの仕事がすごい。


いよいよホルモンの出番だが、今回は塩ではなくタレ系で。
ここでも驚かされっぱなしなのだが、通常のタレのミックスホルモン、醤油ベースタレのコプチャンピリ辛タレのミックスホルモンの3種類が登場。
それぞれのホルモンの良さを引き出すそれぞれの味付け。
そして、決してタレが主役なのではなく、あくまでもホルモンが主役であることがしっかりと伝わってくる。
このホルモンを食べると、『焼肉はやはりタレ』だと考えさせられてしまう。



最後はロースの盛り合わせ。
サーロイン、イチボ、ザブトン、シンシン、ミスジといった定番だが、最後にタレの霜降りでインパクトを与えながら、大根おろしの入ったさっぱりとしたツケダレで食べさせてくれ、これがコース全体の満足度をより一層引き上げてくれる。

全体的に、とにかく優しい味わい。
そしてそれぞれにあわせたカットや味付けが実に完成度が高い。
また、3月から2階席がなくなり、1階の元々の店舗の隣のスペースも店舗になった。
これはオペレーションの面で、お店にもお客さんにも両方にメリットがあると思われる。
そして、一緒に網を囲むメンバーのおかげで、楽しい時間を過ごすことができたことにも感謝。