No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年12月27日 よろにく

忘年会シーズン真っ只中、当然私も忘年焼きに忙しい日々を送っているのだが、どうしても訪問しないと年を越せないお店というものがある。
ここで焼かずして除夜の鐘を聞けるほど、人間として成熟していないのだ。
忙しさのピークでもあり、変化球の準備がほとんどできない、とVANNEさんに言われていたが、直球勝負で何の問題もありません。
ということで、『よろにく納め2012』に。
シンシン炙り
炙りというとパサついたものが多いが、このシンシンは違う。
しっとりとした舌触りで、噛むほどに滋味豊かな味わいが広がる。
満足度 5

チマキのネギ巻き
甘みの強いチマキとネギの相性が抜群。
満足度 4

ハラミ炙り
ハラミの炙りは甘みのあるダレで。
フレッシュ感のあるハラミがより活きる。
満足度 4

ハツ
厚切りだからこそ味わえるザクリとした食感。
そして臭みの全くない味わい。
ハツの良さが全て引き出されている。
満足度 4

タン元(薄切り)
片面焼きで、悩ましいほど滑らかな食感と旨みを堪能する。
タンの薄切り派昔からあるが、ここまで昇華させたお店は他にないのではないだろうか。
満足度 5

タン元(厚切り)
タンを噛み切る前歯に心地良く抵抗を与える食感。
厚切りだからこそのザクザクとした食感と、後から押し寄せる風味と旨みに酔いしれる。
満足度 5

カイノミ
カイノミの中でもヒレに付いた極上部分を塊で。
ヒレのような繊維質を感じさせる食感で、想像以上に力強い印象を受ける。
満足度 4


肩三角
その佇まいだけで痺れる(笑)
美しい、そして旨い。
それも恐ろしいほど旨い。
満足度 5

ウワミスジ
ウデの中でも特に滋味豊かな部位。
控えめでありながら芯が強い、そんな旨さがある。
満足度 4

ミスジ
わずかに赤身の酸味を感じさせる部位。
淡白な味わい。
満足度 4

シャトーブリアン
珍しい厚切りでタレのシャトーブリアン
熱によって沸きあがった旨みとタレのマリアージュは奇跡の出会い。
満足度 5


シルクユーロ
シルクロースをユッケの味付けで。
小難しいことを考える余裕もなくなるほど旨い。
満足度 5

タン元炙り握り
食感のある部位で、ここまでバランスが取れていて、握りとしての完成度を保つ技術に感服する。
満足度 4

朴葉焼き
飛騨の郷土料理である朴葉味噌に肩芯を乗せて焼く。
肩芯の肉汁と味噌の甘みが相まって、どこか懐かしい旨さがある。
ここまで立派な肩芯でなくても、恐ろしく旨いのだろうが、この肩芯を使うところが"よろにく"らしい。
満足度 5




みぞれモツ鍋
一般的なニンニクたっぷりのモツ鍋と違って、あっさりとしたモツ鍋で、コプチャンやタン先が入っている。
出汁がしっかり出ているので、モツ鍋だけでも旨いのだが、大根おろしを入れると、一層旨みが際立つ。
満足度 4



1年を締めくくるのに相応しい、素晴らしいコースだった。
この完成度が一切ぶれる事がないクオリティ、そして進化し続けるその勢いにリスペクトするしかない。