No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年10月30日 西洋料理 島


世の中に焼肉好きは沢山いるが、ステーキ好きはそこまで多くないようだ。
私自身がそうなのだが、実際は『好きなのだがコスト的にあまり行けない』ということかもしれない。
確かに焼肉に比べてステーキは若干高級かもしれないが、ステーキでないと体験できない世界があることも確かだ。

そんな世界を体験したことのない方に最も勧めたいステーキ屋さんを挙げるとすると、それは"島"だろう。
窯を使った炭焼きステーキ屋さんの中では最もリーズナブルな値段設定。
お肉のラインナップは但馬血統を中心とした上物揃い。
なにより店主の大島さんが素敵な笑顔でお肉に向かい合っている姿を見ていると嫌でも期待が高まる。
加えてマダムと呼ばれる奥様の接客も素晴らしいのだ。

この日のお肉を使った前菜は深い小豆色をしたヒレ
口に入れて舌で押し上げると、鼻腔をくすぐる香りが感じられ、奥歯を伝わる旨みは複雑かつ力強い。
思わずため息が漏れる旨さだ。
満足度 5
ヒレ以外にもタンの煮込みを食べたが、驚くほど柔らかく煮込まれているのに、タン本来の味わい消え去ることなくしっかりと存在感を放っている。
満足度 4

より真ん中に近い分部のヒレステーキは炉窯の中で回転しながら焼かれ運ばれてきた。
一口頬張るとヒレ特有の繊維質がほろほろと解けていくのが分かる。
そして前菜で食べた時よりも、旨みの自己主張が一段と強くなっている。
満足度 5



"島"に行ったら、やはりサーロインも必ず食べておきたい。
今回は"島"でよくお目にかかる兵庫の太田さんが肥育した純但馬の雌。
何度か太田さんの牛を食べているが、味がしっかりとしていて食感は雌にしては若干硬めの印象だったのだが、今回も食感は雌にしては硬めというか筋肉質な感じ。
満足度 4



今回は珍しくお肉以外にも蟹クリームコロッケやカレーライス、ガーリックライスを食べたが、そのどれもが旨い。
お肉をあまり食べない、というような人はいないと思うが(笑)、もしそんな人がいても"島"であれば十分満足してもらえるだろう。