No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年5月2日 虎の穴



焼肉屋さんのコース料理の中で創作性という観点からであれば"よろにく"や"KIM"のお任せコースがまず第一に挙げられる。
それに対してコースとしての流れの完成度という観点であれば同じく"よろにく"の通常コースと"虎の穴"のお任せが一番に頭に浮かぶ。
淀みのない流れがありながら、そこに緩急が織り交ぜられ、驚きや多幸感と共にゴールへ飛び込むその快感は他では決して味わえないものだろう。
行者ニンニク

牛筋の湯引きと大根のポン酢和え
湯引きされた牛筋は柔らか過ぎず適度な歯応えがあり、味付けは実にさっぱりとしている。
胃袋がむくむくと起きだすのを感じる一品。
満足度 4

コブクロ刺し
豚のコブクロの中でもあえて経産のものを使っていて、独特なコリコリとした食感がより強い。
シンプルなようで細部まで計算しつくされた味付け。
満足度 4



センマイ刺し
瑞々しさを感じさせるセンマイの食感はプリプリ。
酢味噌は昔懐かしさを感じさせる。
満足度 4

ユッケ焼き
昔は生で食べられたものを泣く泣く焼いて食べる。
特別な肉を使っているようでもなく、魔法のタレで味付けされているわけでもない。
実にシンプルなユッケ焼きなのだが、それでもここまで旨いのが名店たる所以か。
満足度 4

レバ刺し焼き
真紅な肉色、ビッと立ったエッジ。
口に運べばトロリとした食感に濃厚な甘み。
最上級という言葉がぴったりだ。
満足度 5


筋レバ刺し焼き
あえて筋のこりっとした食感を強烈なニンニクと一緒に楽しむ。
病み付きになってしまう。
満足度 4

ミノ
ミノはカットや味付けを変えて食べ比べ。
最初は分厚いカットで胡椒がしっかりと効いた味付け。
胡椒の刺激とザクザクとした食感が絶妙のハーモニー。
満足度 4

ミノ
続いて薄切りカットでシンプルに塩のみの味付け。
その透明感のある旨さには、何故か魚介を食べているかのような不思議な感覚に襲われる。
満足度 4

シビレ
シビレもカットや味付けを変えた食べ比べ。
最初はちょっと厚みのあるカットで柚子胡椒と一緒に。
シビレの甘みが見事に引き締められ、抜群に旨い。
満足度 4

シビレ
続いて玉葱とバルサミコ酢を煮詰めたソースで。
このバルサミコ酢のソースとシビレの出会いは奇跡の出会い。
シビレの究極の食べ方だ。
満足度 5

テール
昔は冷凍したテールを薄くスライスしたテールが主流であったが、最近は"しみず"や"ゆうじ"のように生のテールを骨から外してぷるぷるの食感を味あわせてくれるお店も出てきた。
"虎の穴"でも骨付きのままじっくり焼き、筋の甘みを極限まで引き出す火入れを見せてくれる。
満足度 4

トマト

シマチョウ
その深く綺麗に入った縞と美しく艶のある皮目から清流の流れを彷彿させる。
ふんわりとした脂は甘みに溢れ、歯切れ抜群の皮の味わいを更に引き上げている。
満足度 5


脛靭帯
脛靭帯(けいじんたい)を食べるのは初めて。
ランナーの方は馴染みがあるかもしれないが、脛靭帯は膝付近の靭帯。
その食感は極めて独特で数あるホルモンの中でも際立っている。
満足度 4

コブクロ
刺身で食べたものと同様に経産のコブクロ
火を入れることで刺身よりも歯切れの良さは跳ね上がり、旨みも素晴らしい。
満足度 5

キムチ

ハラミ特塩
いよいよコースのメイン。
まず素材そのものが最上級品、そしてレアではなく食感と中心から湧き立つ旨みを大事にした匠の火入れ。
本能の奥底に何かが響く旨さ。
満足度 5+

メカブサラダ
全国の焼肉屋さんで最も旨いサラダ。

ヤン
足が速く臭みが出やすいヤンだが、"虎の穴"で食べるヤンは透明感のある旨みとコリコリの食感が抜群。
醤油ベースのタレとのマリアージュもまた素晴らしい。
満足度 4

シマチョウ
旨いシマチョウは醤油ベースのタレで食べても信じられないくらい旨い。
満足度 5

コプチャン
シマチョウに比べて脂の自己主張の強いコプチャンはちょい辛味のあるタレがよく合う。
満足度 4

レバ
トロリとした舌触りが素晴らしく、レバの甘みがタレによく合う。
満足度 4

ギアラ
カリッと焼かれたギアラからはジュースが吹き出す。
食感が見事すぎる。
満足度 4

ハラミ
緩急織り交ぜたコースの最後はダメ人間セット。
焼肉界最高峰の魔法のタレでハラミを。
魔法のタレには特塩の様な最高の部分ではなく、並の部分が何故か一番。
白米の上でハラミと魔法のタレが出会った時、この世の物とは思えない旨さが生まれる。
満足度 5+



カルビ
今回はダブルフィニッシュということで特別にダメ人間セットカルビバージョンも。
こちらも肉は並で良い。
いくらあっても白米が足りないレベル。
満足度 5

豆乳プリン

生きてて良かった。
肉が好きで良かった。
心からそう思える。