No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年6月26日 焼肉屋さんのしみず


どこまでもより良い牛を求める。
多くのお客さんが楽しめるように手頃な価格で提供する。
こと牛肉に関して、これらを両立するのは困難を極める。
手間暇かけられた牛は高い。
サシが入っている入っていないといった次元ではなく、肉そのものの味を追い求めて行き着いた牛は高い。
不可能を可能とすべく、品質と価格の限界に挑み続けているのが不動前の"しみず"だろう。
鳥取の田村牛を中心に仕入れ、信じられないほどリーズナブルな価格設定を実現できているのは家族経営で全員が無理をしているからだろう。
とどまることを知らない店主・清水さんが今回仕入れたのは、ついに川岸さんの神戸ビーフ
血統は丸宮土井-福芳土井-照長土井という豪華さ。

まずは3種盛りでクリ、肩ロースの芯、ザブトンをプレーンで食べ、5種盛りでミスジ、トウガラシ、巻き、ウワミスジ、三角バラを通常のタレで味わう。
肉の味のみを知りたくて頼んだプレーンの3種盛りだったが、結果は想像を遥かに超えるもの。
どの部位も肉の味が力強く、特に肩ロースの芯やザブトンといった部位は上品で口溶け抜群のサシが更に味わいを高めてくれ、思わず目を閉じて飲み込んでしまった。

5種盛りも間違いなく抜群。
しかもこれで2,000円ちょっとというのは常識ある肉好きからすると信じられない。
まさに奇跡といっても過言ではないだろう。

一切の先入観無しで食べた川岸さんの神戸ビーフ
本当に旨かった。
今でも肩ロースの芯のバターのような食感とサシに全く引けをとらない赤身の濃厚さが忘れられない。
もはや凄いとしか言えない。